それは10年程前のこと。女性は福岡県の大学に通っていた。地元は鹿児島だったため、新卒の採用面接は「鹿児島の住宅メーカー」の面接を受けたという。面接を受ける学生は3人だったが、そのうち1人は遅刻し、面接が始まってから部屋に入ってきた。しかし…
「遅刻した学生は野球部とのことで面接官と10分程度野球の話で盛り上がり、私は履歴書の内容を2分程度でさらうだけで面接が終わってしまった」
というのだ。面接中に仕事に直接関係のない話題で10分も盛り上がるのは不自然だろう。しかしこの面接官のツボは「野球部」であり、
「ちなみにもう1名も野球部だったため野球の話で盛り上がっていた…」
「もう、募集要項に野球部と書いてくれと思った」
と女性は酷い疎外感を覚える結果になってしまった。他の企業ではここまであからさまなことはなかったようで、「同郷として恥ずかしささえ覚えた」と振り返った。