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営業なのに「名刺が最初の2か月なかった」 3か月で退職した男性

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営業の仕事で必要な名刺を用意してもらえなかった挙句、仕事を丸投げされて結局退職したというエピソードが寄せられた。兵庫県の30代男性(素材・化学・医薬品/年収400万円)は、メーカーで営業の仕事をしたときの苦しい経験を語ってくれた。(文:林加奈)

名刺がないまま取引先へ「ノンストップで30件以上」

その当時の仕事内容は「取引先を車でまわって、御用聞きのように自社の商品を要望に沿って補充で入れたり、時には商談したりする」ものだった。そこで「最初に違和感を覚えたのは、名刺が最初の2か月無かったことです」と綴っている。

「そのせいで取引先を上司と一緒に回ったときに、相手の顔と名前を覚えなくてはいけないのに、自分の名刺を渡すことはできないのでもらうだけ。車でノンストップで30件以上周り、あっという間に40人分の名刺をもらいました。ルートを覚えることもままならず、相手の顔や特徴も曖昧になってしまいました

男性はそのような状態で「はい、じゃあ任せたから」と言われ、次の日から業務を1人でスタートしなければならなかった。

「まだまわりきれていない取引先もあって、当然頭は真っ白。質問に対しても『前にいた人はできてたけど』と小言を言われる。名刺が届いたので改めて取引先に伺い、名刺を渡すと『もうあげたやん。覚えてないの?』と言われる始末。先輩からは無視。先が見えたなと思い、退職しました」

「営業職はこりごり。今では営業をやっている人たちのことを尊敬」

営業の仕事なら名刺はすぐに用意する必要があるはずだが、届くまでに2か月はさすがにかかり過ぎだ。男性は入社から3か月で退職したので、ようやく届いた名刺はわずか1ヶ月しか使わなかったというから荒唐無稽というほかない。会社の不手際のせいで取引先や先輩とも気まずい思いをした男性は、今は営業の仕事を離れている。

「その経験から、営業職はこりごりだと思って、今では製造の仕事についていますが、そこでは人間関係もずっと良いですし、辞めて正解だったと思います。今では営業をやっている人たちのことをむしろ尊敬するようになりました。きっとこの人たちも苦労していらっしゃるんだろうなと」

と営業職に対する思いも綴っていた。

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