その後、社長と役員が戻ってくると他の社員にも怒りの指示が飛んできた。
「チャットで社長が怒った理由を全社員に送ってきて、連帯責任で反省文を送るようにといわれました。 先輩方は慣れているのか30分ほどで書き合格をもらっていましたが、僕は初めてのことで何度も書き直すように言われ帰れませんでした」
なんと「反省文が出たときは社長のOKが出るまで帰れないという暗黙のルール」があったという。また、隔週で社長を含めた会議があったが
「そこでも全員震えながら提案をしていました。そのミーティングで社長の逆鱗に触れれば怒鳴られたり、反省文になるからです」
と恐怖のワンマン経営が行なわれていたようだ。
「僕は未経験で入社したので、先輩方のようにうまく仕事ができず。怒鳴られはしなかったのですが、反省文が発生した時は何度もやり直しをさせられたり、OKが出てやっと帰れても、次の日にやっぱ書き直してということもあり疲れてきました」
こう当時を振り返る男性。「もちろん社長が役員に怒鳴る日は毎週あり、聞いているのも苦痛でした」と心境を吐露した。その生活が続き「もう辞めたい」と思うようになったという。
ハロワで「試用期間でも雇用契約を結ばないのはNGだと教わりました」
結局、終わりはあっけなかった。試用期間が終わるときの面談で「辞めたいです」と伝えると、
「役員が『あっそう。うち試用期間で辞める人多いから、雇用契約結んでないのは知ってるよね? 午前中に荷物まとめて、お昼には退職してね。お疲れ様でした』と言われ驚いたものの、退職したかったので会社を出ていきました」
こうして、「最後の挨拶を交わすこともなく、先輩方の誰も目を合わせることなく」退職した男性。
「あとでハローワークで聞いたところ、明らかにブラックで試用期間でも雇用契約を結ばないのはNGだと教わりました」
「転職活動は大変でしたが、次の会社でWebマーケティングの経験をしっかりと積めたので、辞めて良かったなぁと思っています。もし続けていたら精神的におかしくなっていたと思います」
と言うまでもなく退職は正解だったようだ。ちなみに前職のベンチャー企業についてはこう報告している。
「その会社は当時綺麗なオフィスビルに入っていましたが、今はボロいマンションの一室で細々と生き残っているようです」
社長は今もチェーンをジャラジャラさせているのだろうか。
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