それは数年前の窓口での出来事だった。
「私のミスで手続きを進めてしまい、直ぐに気がついて、お客様に誠意を込めて謝りましたが、納得せず」
「執拗に何度も私のミスを責め続け、周りにいた職員が粗品のタオルをお詫びに渡して下さったのに、ふんだくるようにして帰り」
怒り心頭の様子で金融機関を後にした客だったが、これで終わりとはならなかった。
「それから、30分後くらいに電話をかけてきて、さらに解決済みの私のミスをほじくり返し電話口で何度もなじり」
「私も申し訳ない気持ちも持っていたのに、あまりにも酷いクレーマーに当たり、うんざりしてしまい」
しまいには「その職場へ向かうのが恐怖に」なってしまったという。その後も働き続けてはいるようだが、心境をこう語る。
「今でも、執拗に責め付けてきたあの年配のオバサンの顔が忘れられないです」
「そのような、人の失敗を許せない人にはなりたくないです。自分の恥ずかしさがわからない人だったと思っています。後にも先にもあんな怖い人いないです」
いまだに動揺しながらも、反面教師としているようだ。
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