時間を無駄にしたと感じると、やるせない気持ちになる。特に就職氷河期世代は、もって行き場のない思いを抱えながら働く人も多い。
神奈川県の40代後半の女性(素材・化学・食品・医薬品技術職/年収350万円)は「大手企業の小会社に契約社員で入社し、正社員になれないまま十数年過ごした事は失敗です」と振り返る。
「ぬるま湯状態でゆでガエルになった気分です」
契約社員などの有期契約労働者は2013年、期間の定めのない無期労働契約に転換されるルールが適用されるようになった。契約期間が通算5年を超えた労働者から申し込みがあれば無期契約労働となる。女性の場合もこのルールが適用されたのだろう。雇止めの心配はなくなったが、
「“無期雇用の契約社員”になってからは安定雇用といっても、もしや正社員になれないままかとやっと不安がこみ上げました」
と新たな心配が生まれた。女性は、やり場のない気持ちの矛先を時代へと向ける。
「いわゆる氷河期世代でやりがい搾取されながら『いつか正社員になれる』という希望を持っていましたが、歳は取るし仕事も代り映えしない分、給料もキャリアも横ばいのまま、ぬるま湯状態でゆでガエルになった気分です」
今なら若い人や専門的なスキルを持つ人は仕事を見つけやすいと、女性は羨望のまなざしを向けるが、
「中高年には遅すぎました。時々正社員に登用される人もいるにしても、年収は同世代の中央値には及ばず。大企業の半分にも満たない年収で悲しいです」
とこぼした。
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