副店長は女性たちバイトに、このようなことを言ったそうだ。
「あなたたちの誰かが株主のサイトに書き込んだんだよね。名乗らなくていいから、消してください。お願いします」
というのも「書き込んだ人がパスワードを設定する仕組みで、書いた本人でないと消せなかった」のだ。計画実行に気付いていながらも、内輪で終わらせようとしてくれる副店長の大人な態度に、バイト一同ホッとしたことだろう。その後の職場環境は一気に良くなったという。
「店長が辞めたあと、しばらくしてやってきた新店長はまじめそうな人で、バイトたちは安心して働くことができた。コンビニは明るい雰囲気になり、みんな気持ちよく働き続けることができた」
時が経ち、バイト仲間は「就職など、それぞれの理由で辞めていったが、しばらく連絡を取り合っていた」という女性。辞めたあとも連絡を取り合うとは相当、仲が深まったのだろう。
そんなとき、またもや元店長のことが頭によぎる瞬間があったという。それは偶然、バイト仲間の一人に会って話をしたときだった。
「元店長がサイトに書き込んだやつを探しているらしいと聞いて、忘れていた顔を思い出しゾッとした。みんな共犯なのだから、書き込んだ人の名前を絶対に言わないようにしようと改めて誓い合った」
「学校よりも青春だったかもしれない」
そして女性は、この経験がいろんな意味で人生にとって貴重なものだったと回顧する。
「あれから長い時間が流れたが、かつてのバイト仲間たちは今どうしているのかなとふと思い出すことがある。親の愛情やお金に不自由したことがなく、学費も当たり前に出してもらい、のほほんと暮らしていた私にとって、それまでの人生で接点のない人たちばかりだったが、不思議と話が合い、今振り返ると学校よりも青春だったかもしれない」
「まさかバイトたちにそこまで結束力があるとは、店長はもちろん、副店長や本社の社員、大人たちには想像すらできなかっただろう」
雰囲気の良い職場環境を手に入れられ、バイト仲間の絆が深まったのだがら、間違いなく、計画が成功したと言えるだろう。
【前編はこちら】「コンビニのバックヤードでプロレス技をかけるのが日常茶飯事」パワハラ店長をアルバイト達が本社に通報した結果
「店長出せよ!」深夜のコンビニで80円の値引きを迫ったクレーマーの末路
※キャリコネニュースでは「上司に言い返したエピソード」をテーマにアンケートを行っています。回答はこちらから。https://questant.jp/q/B1C9Z5LN