男性は今年夏、建設系の会社に正社員として入社した。
「第二種電気工事士の資格を生かせると聞いて入社したら、バリバリ土木関係の仕事でした。野外で草木が生い茂ったところを整備し、土台を作るところからしていました。支柱運びや、機械を使った部品付けなどをメインでしていました」
第二種電気工事士は電気工事をする際に必要な国家資格だ。ところが任されたのは資格が必要ない仕事。それでも男性は文句を言わず、初日は7時間ほど働いたという。ところが……。
「もう少しでその日の仕事が終わるという頃に、熱中症で倒れました。最初は頭痛がしたのですが、大したことはないと思ったため、作業を続けていました。そのうち眩暈もしてきたうえに、頭痛も強くなってきて、日陰から動けなくなりました」
今年の夏は例年より暑かったので堪えたようだ。倒れたあとは「トラックで休憩する許可をもらいました。その日は、後片付けはしないで帰りました」と大事には至らなかった。
命の危険を感じたものの、様子を見ようと翌日以降も働いた男性。「社員はやさしい方が多かった」ことも続けようとした理由なのだろう。しかし冒頭に書いたように、社長から「社員全員分の墓石を用意している」と聞き、「危ないと思ったため、辞めることにした」という。
大企業の中には、亡くなった従業員を供養するために慰霊碑や企業墓を建てる会社もある。しかし男性によると、それとは違い「個人の墓のような感じで、1人1つの墓石」が用意されていたそうだ。異様に思った男性は、知人に聞くために写真を撮っていた。編集部はその写真を見せてもらった。
墓石に社員が自ら名前を彫っている?
男性の撮った写真には、灰色の直方体の物体が5つ横たわる形で写っていた。確かに墓石に見える。男性によると、社員は5人ほどいたそうで、墓石と社員の数とが合っているのが不気味だ。
「墓石は社員用の駐車場の端の方に置かれていました。自分が入る少し前に事務所を移転したらしく、そのときに作ったと言っていました。実際にそこに誰かが葬られているかはわかりませんが、既に名前は入っていると聞きました。社員それぞれが自分で名前を彫っている、なんて話もまことしやかに語られていました」
墓石が決定打になり早々に退職を決めた男性。ただ会社には、体力が続かないからと電話で伝えたそうだ。
「社長からは、1週間くらいでわかった気になるな、という内容を婉曲に言われました。辞めた後に同業者の友人から、『あの会社は変わった風習や、若手社員にイジメをしていて退社が絶えないことで有名』と聞いて、辞めてよかったと思いました」
現在はアルバイトをしながら、転職活動中だという。
「近々、面接の予定があります」
今度こそ、男性が資格を生かせる仕事に就けるように祈りたい。
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