Aは男性に毎回「作業標準に則らない指示」を出してきた。そのため男性は、
「何故それをやらせるのか。ルールを破らせて仕事をする理由は何か。それで問題が起こったらどうするのか」
とAによく質問していたという。ところがAの答えは、
「必要だからやる!俺の言うことが聞けないのか?必要かどうか聞くのは、お前はやる気がないのか!? こんなルールは糞食らえだ」
という、ただの「自分の考えを押し付け」だった。男性は納得がいかないため説明をしてほしいと要求するも、Aは「俺のいうことを聞けないのはやる気がない証拠」だと決めつけきたという。しかし説明もなくルールに反する行動は取れないだろう。そのため男性は「納得がいかないので言うことは聞けない」「納得行く理由を説明してほしい」「決められたルール通りにやる」と言い続けたそう。そんな男性のことがAは気に食わなかったようだ。
「ことあるごとに会議室に多くの人を呼んでは私のできていないところを罵倒。毎回1時間近く吊し上げられました」
それは男性曰く「まるで江戸の仇を長崎で討つよう」で、理不尽極まりないものだった。男性がミスしようものなら、
「ウジ虫、死ね、やる気がないならやめろなど言われたり、提出した書類をなげつけられたり」
した。毎日浴びせられる罵詈雑言、2時間近くの詰問、加えて無理難題も押し付けられて業務に集中できなくなったという。さらに、
「周りにあいつはやる気がないやつだと吹聴して、常に私の味方がいなくなるよう孤立をさせてきました」
と、Aにどこまでも追い詰められた男性。そうした環境が4か月続き、男性は「鬱になりかけました」と振り返る。
B課長にパワハラを相談するも隠蔽される
耐えかねた男性はAのパワハラを課長(以下、B課長)に相談したが、Aの悪事が裁かれることはなかった。Aは口が上手く、その年のマネージャー試験を合格してB課長の推薦を受けていたのだ。
「B課長はAをマネージャーに推薦した手前、問題を起こすとB課長の責任にもなるため、それを隠蔽して私を遠くの勤務地に異動させようと部長に進言。異動前の研修などで3週間単身で研修を受けました」
しかし結果的に異動はなくなり、鬱になりかけていた男性はチームを異動することでAとの関わりを絶ったという。このあと男性がAに反撃する出来事が起こる。【後編】に続く。
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