人事異動で交代したばかりの上司は、「事情を聴きたい」と他の上司を交えた女性との話し合いの場を設けてくれた。女性は、その場で「すべてを話しました」と振り返る。
「仕事を教えてほしいと言っても『教えようがない』と教わっていない事。毎朝のパワハラ、教わっていない、わからない事で怒られ、『教わってもいなかったのでわかりませんでした。すみませんでした』と言っても、『謝って済むと思うな』と言われたり、『謝る言葉は聞き飽きた。ほかに言えないの?考える頭はないのか?』等々」
パワハラの数々を打ち明けると、上司からは「職場環境改善を図るから考え直してくれ」と頭を下げられた。初めて、女性の言葉に耳を傾けてくれる人が現れたのだ。そのため「少しでも環境が良くなり楽になるなら」と、もう少し頑張ってみようとしていたが……。
「環境は良くなるどころか悪化する一方でした。 きっと私に何か言うと『辞める』というレッテルを張られたのでしょう。以前より無視されることが増えました」
なんと状況は以前より悪くなってしまった。違う種類のパワハラも始まった。
「上司から『手が空いたら、トイレ掃除、玄関回り掃除、センター周りの掃除をして』と、“手が空いたら”の片手間でできる内容のものではない指示をされるパワハラが始まりました。9月に退職願を出したとき、考え直さずに辞めればよかったと思いました」
話し合いに応じてくれた上司とは別人だろうが、パワハラは収まるどころか増えてしまったのだ。
「身体状況を話し退職を願い出ました」
働きだしてちょうど2年が経とうとする頃、ついに女性の身体には不調が現れだした。
「(2023年)12月に入り、多分精神的なものでしょう。胃痛とともに食欲がなくなり、食べても嘔吐する日が数日続き、受診しました」
診察後、会社に理由を話して休みを取った。しばらくして、「身体状況を話し退職を願い出ました」と語る。上司には病名を聞かれたため、「胃腸炎です。治療に専念するように医師から指示を受けましたのでよろしくお願いします」と答えたらようやく12月いっぱいでの退職を認められたという。
辞めるだけで精一杯だったのか、最後は怒りをあらわにすることなく、淡々と退職の経緯を綴っていた。それにしても、「職場環境改善を図るから」という上司の言葉は何だったのか。女性が体調を回復し、今年から心機一転いい職場にめぐり合えるよう祈るばかりだ。
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