パワハラは論外だが、正当な対価が支払われなければ、誰もが働く意欲を失う。能力のある人ほど、そのような職場から流出していく。
東京都の50代後半の女性(教育・保育・公務員・農林水産・その他/年収300万円)は、かつて勤めていた会社について、「昭和な会社。平均年齢55歳くらい」と振り返る。
ひどい職場環境だったようだ。(文:長田コウ)
「上司からのパワハラがひどく、書類を投げつけられたり嘘つき呼ばわりされました。海外進出を担当しましたが、仕事はほぼ丸投げで細かい間違い見つけてネチネチいじめてきて、時給を下げられました」
仕事ができない年下上司がやってきて…
耐えがたい環境だったことがうかがえるが、当時女性は、「海外向けOEMプロジェクト」に社外コンサルタントと共に携わっていた。「成功させるまでは我慢して耐えました。パートなのによく頑張ったと思います」と振り返る。
製品の出荷が始まってから、「年下の上司」が新たにやってきた。これを機に、女性は限界を迎えた。
「パワハラ上司はコンサルタントの言うことは聞かざるを得ないので、工場との調整してくれてたし英語もできてたのですが、新上司が英語も仕事の判断も交渉もできなさすぎて優柔不断で耐えられず。その人との給与の差を知っていて馬鹿らしくなり辞めました」
パートである女性が社員の給与事情を知っていたのには、以前はこの会社に転職で入社していたからだ。しかし女性は、入社3年後に妊活を理由に辞めた。その数年後に会社側から声がかかり、「外注で仕事」を受けていたそう。それが途中からパートになり、「その段階で契約書作るなり断るなりすればよかった」と後悔している。ただ、今は実生活を満喫しているようだ。
「もはやパワハラ訴える気にもならず自分のこと、ライフワークを楽しんでいます」
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