腑に落ちないルールは他にもあった。両替は社長しかしていないが、両替が間違っていてもなぜか従業員のせいにされていたという。
「もちろんノルマもあり高額なブランドバッグを見ているお客様にはピッタリついて接客をしてお買い上げ頂けば自分の評価ポイントになるシステムでした」
こうした仕事に息が詰まる瞬間もあっただろう。それでも懸命に働いていたが、ついに耐えきれなくなる事件が起きる。
それは、女性が「某ブランドの10万もするバッグの予約注文」を受けた時のこと。当時、予約注文が入ると社長に電話をかけて発注してもらうことになっていた。女性は、他の従業員と一緒に確認しながら社長に電話をして、紙にも記録していた。きちんと証拠を残していたのだ。しかし、
「お客様が来店される前日に社長に確認の電話をしたところ、注文を忘れていたらしくそれを自分のせいだとあることないこと言われ我慢の限界になりその日に辞めました」
ノルマのある会社だけに、女性はこの予約注文に必死で対応したに違いない。この会社が現在どうなっているかは書かれていないが、こんな社長のやり方では誰もついていきたいとは思えないだろう。
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