女性は社内での理不尽な扱いについて、次のように振り返る。
「私が入社する2週間ほど前に入社した人には丁寧に指導し、質問にも答えるのに、私の質問には嫌な顔をされていた。『もっと頑張らなくては』と思うも、指導も中途半端でプレッシャーも酷く、ミスが増えていた。そのミスも『なぜミスをするのか?何がわかっていないのか理解不能』ということを言われていた」
3週間ほど経った頃、面談で「指導役が指導してくれない。質問しても嫌な顔をされる」「前の会社とやり方が違うのに指導がないのはおかしいのではないか」と訴えたという。しかし、
「だってあなた、ミスばかりじゃないですか。経験者だと思ってたのに使えないし……このままだと正社員では雇えないので、パートになるか辞めてほしい」
「指導役は悪くないでしょう。あなた経験者じゃないですか」
「うちは悪くない!うちのやり方は主流だ。同業者の集まりでも、うちが使ってるソフトを使ってるところが多かった。あなたがいた会社が小さいだけでは?」
と取り付く島もなかった。女性は「経験者にしては給料が最低額だったが」と首を傾げたが、「前の会社まで侮辱され、一刻も早くこの会社を離れたかったので『辞める』とその場で伝えてしまった」そうだ。
面談の翌日、女性は会社を休んで労働基準監督署へ足を運んだ。すると
「正社員前提で募集したのに、パワハラをして『パートか辞めろ』は労基違反ですよ。録音すればよかったのに。もう返事してしまったから無理ですけど、もし次があったら録音したほうがいいですよ」
と言われたそうだ。
女性は「録音してやればよかった!と少し後悔した」と語るが、現在はもっと勤務時間が短く、自分のやりたいことができ、給料も良い会社(年収400万円)に正社員として勤めているとのこと。渦中にいるときはつらかっただろうが、早めに退職に踏み切るきっかけができて結果的にはよかったのかもしれない。