左遷の発端は、入社2年目に任されたプロジェクトだった。着任の経緯について「まともに私と話したこともないSE部長が適当に采配し、その任に付くことになりました」と振り返る。社員の能力を把握せず、いい加減な人員配置でうまく仕事が回るはずがない。案の定そのプロジェクトは炎上案件となり、男性は対応に追われた。
「納期もぎりぎりにはなりましたが、先輩方を巻き込み、なんとかシステム納品に至りはしました。ただ、ほかの先輩方の稼働を使ったことを咎められ、自身でシステムを作る側から作られたパッケージ商品を売る側、その会社では落ち目部署への左遷となりました」
あとは冒頭のとおりで、男性は社員全員が閲覧できるチャットで、上司たちから公開嫌がらせを受ける日々を送ることとなった。ただ、最終的に退職を決意した原因は、チャットの書き込みではなく「プリンタの用紙交換」だったという。
「プリンタの用紙が切れたので、交換しようと紙を取りに行ってた最中にトレーを開けっ放しにしてたことを、『やりっぱなしになぜしてた?』などと、他部署の仲の良かったマネージャーにも咎められたりし始めたので、そこで会社に見切りをつけました」
左遷により、これまで仲良くしていた人の態度が変わってしまったことが、男性にとっては一番の打撃だったのかもしれない。
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