【夏の怪談特集】話の上では「故人が夢枕に立つ」というエピソードはよく聞くが、リアルに体験することはめったにないだろう。しかし、愛知県の40代女性は一昨年の7月、こんな不思議な夢を見たという。
「中学校の頃の恩師が、突然夢に出てきて『会いに来るって言ってたのに、全然来ないじゃん』って笑って言いました」
会いに来ないことを笑いながらやんわりと責める恩師は、きっと優しい人だったのだろう。(文:永本はな)
「夢に出てくるなんて初めてだな、不思議な夢だな?」
その恩師とは、「年賀状のやりとりは続いていた」ものの、
「大学卒業後に実家を出て就職し、仕事、結婚、出産、となかなか時間が作れず、会いたいなあと思いながらも、会えていなかった恩師でした」
と思いを馳せる。当時、「夢に出てくるなんて初めてだな、不思議な夢だな?」と考えていて、「ふとその日が七夕の日だと気づいた」ことを覚えているという。
それでも、まだ小さい子どもの子育て中で電話をすることもなく過ごしていると、年末にある一枚のはがきが届いた。それは、
「その恩師のご家族からで、 先生が去る7月7日に逝去されたという喪中はがきでした」
なんと、女性が恩師の夢を見たその日に、恩師は亡くなっていたのだ。
「びっくりするやら、会いに行かなかったことを後悔するやら、夢のことを思い出して、先生は会いに来てくれたんだと、そんなこともあるのかと悲しい気持ちになりました」
偶然の一致としてもあまりにも印象的な出来事で、「夢枕に故人が立つことは本当にあるんだと感じた出来事です」と感慨深げに書いていた。
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