新入社員が次々と辞めたりメンタル不調になったりする原因を、本人のせいにするのは早計だ。看護師として働く40代女性は、「新人が育たない部署に配属になった新人」だという。実状をこう明かした。(文:長田コウ)
「3年前に入職した新人は10人以上いたのですが、半数以上はメンタルを病んで1年以内に休職や退職しています」
「少しでもできないと見なされると教えることを放棄」
自身の部署についてはこう明かす。
「昨年4月に新人が2人入って1人は5月で辞めています。もう1人は、看護師なのに助手業務を長期間やらされ、1年後に別部署に異動したがメンタルを病んで現在仕事を長期間欠勤しています」
つまり新人全員が職場にいられなくなった状態だ。そんな部署で、自身もすでに退職の意向を固めているという。上司に伝えた理由は、「プリセプター(新人教育担当)の指導がきつい」ことだ。
「少しでも(仕事ができないと)、できないと見なされると、教えることを放棄して助手業務やフリー業務に回されるハラスメント体質」
多くの病院や施設では、新人看護師に先輩看護師がマンツーマン指導をするプリセプター制度が導入されている。早期育成や精神面も支えて定着率を上げる狙いがあるというが、これでは全くの逆効果だ。
ブラック気質なのは女性の部署だけではなく、病院全体がそうだという。前述の通り、10人以上いた新人の半数以上がメンタルを病み、1年以内に休職や退職に追い込まれる始末だった。ほかにも、
「1年目は残業代が申請しづらい、部署によっては新人へのあたりがきつい等が定着しづらい理由になっています」
と働きづらい原因を挙げた。ちなみに「私の担当プリセプターは、昨年もプリセプターを経験し、新人を2ヶ月で退職させた」とも書いていた。人を育てるのは難しい仕事とはいえ、あまりにも離職率が高ければ教育の仕方を改めてほしいものだ。
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