仕事に対して意欲を見せず、必要最低限の仕事だけをこなす働き方を「静かな退職」と言うらしい。そんな「静かな退職」を、この夏から実践している40代女性(九州地方)がいる。事務職を20年続けてきた女性が、なぜやる気を失ってしまったのだろうか。(文:林加奈)
「新しい部署の責任者にならないか」と言われるも問題だらけで……
きっかけは今年の春に行われた飲み会だった。その席で上司から部署編成の話を聞かされたという。
「退職する人がいるので、その人がいる部署と私の所属している部署をひとつの部署にまとめ、私がその責任者にならないかと。そのもうひとつの部署は20代社員が多くほとんどが女性で男性は今1人しかいません。長く働いて5年、短い人で数か月で休職退職するなど問題を抱えている部署です。あえて何も答えず聞くだけにその場は終わらせました」
面倒な部署の責任者にさせられそうになった。しかし、夏になるとその話がより現実味を帯びてきたという。
「そこで初めて既に2人退職、昨日休職者がひとり辞めたと告げられました。1時間半もかけてどういう経緯でこうなったのかを延々と聞かされたのに、最後まで何をして欲しいとは言われず解散となりました。自分が何か動かないといけないのか、いや、私が悪いわけではないのにと、悶々としたなにかが自分の中にたまりはじめ、夜も中途覚醒が続きました。こんな状態になっている部署を私はいま、丸投げされかけている」
結局女性は「2週間悩み、不本意ではありますが半年後の退職を申し出ました」と語る。20年続けた仕事を辞めるのは惜しい気もするが、責任が重く、仕事がつらくなることは目に見えている。
「少しずつ部署編成が始まっておりますが敢えて会議での発言は極力しない、同僚とも距離をあけ不平不満は言わない、聞かないように接してます」
こうして半年間、「静かな退職」をすることに。今のうちに、よい転職先を見つけてもらいたい。
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