もちろん家庭の事情や体調不良による当日欠勤は誰にでも起こり得る。しかし、この上司の場合はあまりにパターン化しているため、「社内の全員から『きっと自分が苦手なイベントや役割は回避したいんだろう』と思われてしまっている」そうだ。
結果として、男性は試用期間中にもかかわらず、上司の代役を何度か務める羽目になったという。しかも重要な役割を押し付けられた割に、評価は芳しくなく、
「試用期間をあと3か月伸ばす」
「正社員としては迎え入れない。契約社員へと切り替える」
と通達されてしまったそうだ。その理由として、一度の失敗が「ボロカス」に書かれていたという。
ショックを受けたのは男性だけではなかった。男性を引き入れたのは、学生時代の同期であるGM(ゼネラルマネージャー)だった。
この会社では採用時にリクルーターを使わず、社員が友人や知人を紹介するリファラル採用を積極的に行なっているようだ。
「『一旦退職届を書いてくれ』と言われ、泣く泣く提出」
チーム全員が辞めたことや、その穴埋めとして採用されたのが自分だったと入社後に知った男性は、「チームの管理側に問題がある」「そりゃやめるだろうな」と痛感したという。
その中でも「創業者CEOが立ち上げの頃からいるリーダー的な人物」が、チーム崩壊の原因だと男性は主張する。この人は海外顧客担当のチーム所属だが、人事も兼ねている。英語が堪能で、「国内の責任者であるGMを通さず、直接創業者CEOに話してしまう」という。そのため、
「解雇や採用取消になったことを日本のGMはCEOの決断が固まってから聞くことになる。このCEOは一度決めたら覆すことがないので、ほぼ受け入れるしかない」
と厄介な状況に陥っているそうだ。
男性もこうした歪な人事の被害者なのだろう。男性を引き入れたGMも、理不尽な通達に納得していなかったが、「契約社員の雇用形態に切り替えるために一旦退職届を書いてくれ」と言われ、「泣く泣く提出」したという。
あとになって男性は、正社員雇用が取り消されるきっかけとなった仕事について、気づいたことがあるようだ。「単に私の直属の上司がやりたくないから、こちらに回しているのが見え見え」だったとし、
「陰湿な上司だった。こんな上司はいらない」
と憤りをあらわにした。これは推測だが、年下上司は一度の失敗でキャリアに傷が付く可能性があることをわかっていたから、リスクの高い仕事を当日欠勤で回避していたのかもしれない。
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