「新聞を読んでいる人」77.7%って本当なの? 日本新聞協会に聞いてみた
日本新聞協会が3月15日に発表した「2015年全国メディア接触・評価調査」で、「新聞を読んでいる人」が77.7%だったと明らかになり、ネット上で話題となっている。
調査は昨年11月18日から12月13日に実施。15歳から79歳の男女3845人が回答した。「新聞離れ」が叫ばれる中で77.7%といえば、かなりの高割合といえる。さらに、新聞への印象としても、「社会に対する影響力がある」(44.3%)、「知的である」(42.2%)、「安心できる」(35.0%)と高い評価を下す人が多かったという。
回答者の7割が40代以上、20代はわずか9%
この調査に対して、ネットでは「意外と新聞って読まれてるんだなあ」と感心する声もあがったものの、「私の周りには1割くらいしか読む人いないんだけど」「そんなにいないはず」と違和感を持った人が多いようだ。堀江貴文さんもツイッターで、「それは私の感覚とはちがうなぁ」と結果に疑問を呈している
日本新聞協会の「新聞の発行部数と世帯数の推移」によると、2015年の新聞の発行部数は4424万6688部。2006年が5231万478部だったため、この10年弱で約800万部も減っている。また、「新聞社の総売上高の推移」を見てみると、10年前の2005年度の売上高は2兆4188億円だったが、2014年度は1兆8266億円と、約5900億円も売上を減らしている。
では、なぜ未だに新聞を読んでいる人が77.7%と高い割合なのだろうか。キャリコネニュースが日本新聞協会に聞いてみたところ、調査に回答した3845人のうち、最も多かったので60代で21.7%。次が40代で19.1%だった。50代は14.8%だ。
一方で、20代はわずか9.3%。30代は15.2%いたが、全体で見ると、40代以上が約7割という構成になっている。昔から新聞を読むのが当たり前の世代が多く答えているようだ。
それでも「新聞を読む人」は年々減少傾向……
年齢の偏りがこの結果に結びついたのだろうか。しかし、同協会の担当者は「年齢というよりは、質問の項目によると思います」と説明する。「新聞を読んでいる人」は新聞接触者を調べる質問なため、毎日読んでいなくても構わない。週1回や2回、それ以下でも新聞を読んでいれば「読んでいる」に含まれるのだという。また、購読していなくても図書館などで読んだ場合もOKだ。
つまり、「全く新聞を読まない人」以外は「新聞を読む人」になる。また、この調査では、「新聞」は電子版や新聞社の提供するニュースサイトは含まず、純粋な紙の新聞を指すという。
ただ、77.7%といえば高く感じるものの、「新聞を読んでいる人」は2005年の同調査では、92.0%だった。その後、2007年(91.5%)、2009年(90.9%)、2011年(86.8%)、2013年(83.2%)と落ち続けており、年々読者が減少しつつあることは間違いないようだ。
ちなみに、NHK放送文化研究所が2月17日に公表した「2015年 国民生活時間調査」では、平日に新聞(電子版含む)を読む人は国民全体の33%、土曜は35%、日曜は33%という結果が出ている。新聞協会の調査を大分開きがあるが、こちらの方が納得するという人もいるかも知れない。
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