「手に職つけて早く働きたかった」 17歳のエンジニア女子高専生・やましーインタビュー | キャリコネニュース
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「手に職つけて早く働きたかった」 17歳のエンジニア女子高専生・やましーインタビュー

「やましー」こと山下紗苗さん(17)

「やましー」こと山下紗苗さん(17)

エンジニア業界は男性が多い。女性のウェブデザイナーはいても、エンジニアは9割以上が男性という会社がほとんどだろう。そうした中、17歳の女子高専生が都内のIT企業、spice life(東京・渋谷)でアルバイトとして働いているという話が編集部に寄せられた。

同社は、ウェブ上で簡単にオリジナルTシャツを作れるサービス「TMIX」を運営。彼女はそこで開発に携わり、戦力として活躍しているという。そこで今回、キャリコネニュースは、同社で働く「やましー」こと山下紗苗さん(17)と、同社CTOで開発部長を務める五十嵐邦明さんに話を聞いた。

パソコンで遊ぶのではなく使いこなしたいと思った

やましーさんと、五十嵐邦明さん。spice life社のロゴの前で

やましーさんと、五十嵐邦明さん。spice life社のロゴの前で

――やましーさんは、今度高専の3年生になるんですよね。学科はどういうところになるのですか?

やましー:明石工業高等専門学校(兵庫県)の電気情報工学科というところに在籍しています。一学年40人いるのですが、女子は5人だけです(笑) 今(※編注 取材は3月末)は春休みなので、東京の親戚の家に泊めてもらって、その期間だけアルバイトとして働いています。

――そもそも、どういった経緯でプログラミングに興味を持ったのでしょうか。

やましー:元々パソコンに触れるのが遅くて、小学5年生のときに初めて家にパソコンがやってきました。そこで、周りに遅れないようにという気持ちもあったのですが、パソコンで遊ぶのではなく使いこなそうと思い、色々といじるようになりました。

――今どきの子にしては逆に遅いITデビューだったわけですね。そのときはパソコンでどんなことを?

やましー:エクセルで、使いもしない家計簿を作ったりして遊んでいました(笑) 今思うと何が楽しかったのか分からないのですが、マクロを組んで思った通りに動くと気持ちよかったんです。あとはひたすら、タイピングの練習をしていました。

高専では座学が中心、実際にコードを書く経験を積みたかった

お仕事中のやましーさん

お仕事中のやましーさん

――それで、なぜ高専に進んだのでしょうか。

やましー:プログラミングを専門的に勉強したいと思ったのと、今大学生がやっているリクルートスーツ着て、何十社も受けるような就職活動は、自分は嫌だなと思ったので。手に職を付けて早く働けるように高専にしました。

――その頃から、将来のことを考えていたんですね!

五十嵐:時代が違うというのもありますが、自分がコードを書くようになったのは24歳からだったので、凄いアドバンテージがありますよね。今の若い世代は恵まれている分、競争が激しくなっているという難しさはありますが、やましーさんのように、17歳なのに出稼ぎみたいに1か月東京に来て、経験値を荒稼ぎして、というのは羨ましいですね。

――そうですよね。やましーさんは今回どういった経緯で、働いているのでしょうか。

やましー:高専に進んだのですが、座学が多くて、実際にコードを書いて応用する授業はあまりなかったんです。それで自分で勉強会やインターンを見つけて、経験を積もうと思いました。昨年の夏休みにも別の企業で働いていて、この春は勉強会で知り合った縁で五十嵐さんの下で働かせてもらっています。

五十嵐:やましーさんには、社内の人間が使う管理部分の開発を手伝ってもらっています。私たちの会社ではRailsを使っているのですが、高専ではRailsは教えてくれないんですね。やましーさんはそれを独学で勉強して、自分で次の仕事を見つけているのが凄いですね。もう一人のスタッフとして、普通に戦力です。

自分が書いたコードが本番で動いているのが嬉しい

「ろくろを回す感じで」というリクエストにも応じてくれました

「ろくろを回す感じで」というリクエストにも応じてくれました

――やましーさんは、実際に企業で開発に携わってみて感じたことはありますか?

やましー:開発の流れは学校内のプロジェクトで経験していたので、入りはそんな苦労しなかったです。

――おお、頼もしいですね(笑)

五十嵐:スムーズでした。本当にびっくりするぐらい。「大体こんな感じで」というフワッとした指示でも理解してくれるので、助かっています。簡単な仕事から始めたらすぐに終わらしてしまったので、今は結構難しい内容をやっているかもしれません。

――やましーさんは、実際に働いてみて、どんなときに楽しいとか、嬉しいとか感じましたか?

やましー:自分が書いたコードをテストして、ちゃんとクリアして動くと嬉しいです。あと、自分の書いたコードが本番で動いていて、他の人が使っているというのも、一人のプロジェクトではなかなか経験できないので嬉しいですね。

そのときそのときで、興味のある仕事に就いていきたい

東京では美術館に行くのが楽しい、とのことでした

東京では美術館に行くのが楽しい、とのことでした

――当面の目標は、何かありますか。

やましー:英語をちゃんと勉強したいです。コードを書くときに海外の資料を参考にすることも多いので、読めたらいいなと思います。あと、将来は海外で働く可能性もあるので、英語をできるようにしたいです。

――海外も視野に入れているんですね。じゃあ、将来どうなっていたいとか、夢はありますか?

やましー:別に、「絶対コードを書きたい! プログラマーじゃないとヤダ!」というわけではないんです。例えばデザイナーに興味があれば、そっちもやってみたいですし、そのときそのときに興味がある職種に就いていくのが夢です。大丈夫ですか? 記事書きにくくなったりしませんか?

――いえ、ありがとうございます、しっかり考えていて素敵ですね。五十嵐さんは今回やましーさんを受け入れてみてどうでしたか?

五十嵐:やましーさんを受け入れたのは、将来うちの会社に来てくれればいいなという下心もあったのですが、正直言うと、別にうちに来てくれなくてもいいんです。やましーさんをみんなで育てて、それで将来やましーさんが活躍して、コミュニティが豊かになればいいなと思います。

・やましーさんHP
http://yamasy.info/
・ブログ
http://yamasy1549.hateblo.jp

あわせてよみたい:モデル志望女子高生が気づいたら社畜に!?

 

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