そこで女性はマニュアルを「自分用にアップデート」して効率化を図ったものの、またもや上司に「激怒」されたという。
またマニュアルだけでなく、職場環境も絶望的だった。
「パソコンが古くメンテナンスもされてないので、重過ぎて仕事が進まず。当たり前のようにパスワードを張り付けていました」
セキュリティ意識の欠如は会社にとって致命的な問題だ。しかし社員の改善意欲は低かったようで、女性はある若手社員についてこう書いている。
「パソコン苦手なのにプライドなのか人に聞かないタイプ。入力ミスが多く、あちこちデータが消えたり、関数の参照先がズレていた」
数値が信用できないため、「Excelの合計は電卓で確認」していたという。これでは業務効率化の努力も虚しく散るだけだ。
加えて職場の人間関係にも問題を抱えていた。元担当の派遣社員と正社員の仲が悪く、「二人の言うことが逆」と、女性は板挟みに遭っていた。だが奇しくも二人には共通点があった。
「二人ともITアレルギーなので、こちらのIT効率化の提案には諸手を挙げて反対一致でした」
いくら効率化を望んでも、変化を拒む人々が足かせとなっていた。その後女性は、この正社員について「元からポンコツ」という内部事情を耳にしたのをきっかけに、「表向きは介護を理由に2か月で辞めました」と書いている。一人で改革の風を吹かすには、敵が大きすぎたのかもしれない。
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