この問題を見過ごせなかった男性は、社長を含めた上層部に直談判した。
「『剽窃している可能性があるが、次回の改訂でその辺り、せめて引用文献リストなどを出す予定はあるか』と聞きました」
しかし結果は「忙しくてその余裕はない」と一方的に拒絶されただけ。コンプライアンスよりも目先の業務を優先する姿勢には呆れるが、さらに男性を失望させたのは彼らの普段の勤務態度だった。
「上層部は平日に全員でゴルフコースを回るくらいの余裕はあったようですが、その辺りはどうでもよかったのでしょうね」
事の重大性をまったく理解しない彼らの態度を受け、男性は研修期間が明けた段階で退職を願い出た。その際、「このテキストを販売するところに(自身の)名前を載せられないから」とキッパリ述べたのだが、予想外の返事が返ってきた。
「『じゃあ名前載せなければいいじゃん』と、きょとんとした顔です」
男性の懸命の訴えは、最後の最後まで響くことはなかった。しかし違法行為に加担させられる前に身を引くという決断に後悔はないようで、
「ビジネス観や、倫理観の欠けている職場だったので、自分が自分らしくあるために離れて正解だったかなと思います」
と綴っている。
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