就活生の3割強が「オヤカク」を肯定 「両親も納得した企業じゃないと。お互いに納得してないといけないと思います」
ひと口に「オヤカク」といっても、その実態はさまざま。人事担当者が親と電話で話すだけでなく、「会社見学」に親を招待したり(大手タクシー会社)、社長自ら実家を家庭訪問したり(映像製作会社)。社員の姿を内定者の親に見せるため、従業員出演のドラマDVDまで作る(飲食業)会社もあるようです。
マイナビの調査によると、「親の反対」を理由とする内定辞退は上場企業の20.8%で経験があるそうです。子どもの入社式に親も出席する時代。就職先に親が口を出すのは当たり前のことでしょうか。
番組では街で賛否を聞きました。ある40代女性は「(内定した会社が)ブラック企業じゃないかとか、勤めている人が大丈夫かなとか、会社の雰囲気とかそういうのを見て、どういった会社なのかなというのを判断したい」という賛成派がいる一方で、
「自分の人生は自分で歩むっていう、基本的なことを奪っているわね」
と反対する60代女性もいました。年輩の方々には「オヤカク」は甘いと感じられるようです。就活中の学生からも、こんな声が聞かれました。
「自分で決めた道なんで、信用してほしいなと」(ナシ派)
「親に反対されても、変える気はありません」(ナシ派)
羽鳥さんは「離職率抑制」の効果を否定するが
その一方で「両親も納得した企業じゃないと……。お互いに納得してないといけないと思います」(アリ派)という、いかにも素直そうな学生の声も。通常「お互いに納得」というのは企業と入社する当事者本人を指し、親は関係ないかと思うのですが。
結局、親世代のアリが10人、ナシが40人。就活生ではアリがもう少し多くて12人(31.5%)、ナシが38人という結果に。約8割が「過保護ではないか」という判断ですが、残り2割が「アリ」ならば、会社として対応せざるを得ないのでしょう。
スタジオでは、青木理さんと玉川徹さんが「ナシ」派、菅野朋子さんと羽鳥慎一さんが「企業が制度としてやりたければやればいい」というスタンスの「アリ」派でした。菅野さんは弁護士事務所で雇用する立場として、力を込めてこう話していました。
「人ひとり雇うって、ものすっごい大変なことので!」
番組ではさらに、企業側のもうひとつのねらいとして「離職率抑制」を明かします。入社時に親に理解してもらっていれば、本人が辞めたくなったときに「いい会社なんだから(もうちょっと頑張りなさい)」と引き留めてもらいたいという意図もあるようです。
これを聞いた羽鳥さんは「あーなるほどね…」と意図を理解しつつ、「本人が辞める気になってたら、それは難しいかな!」と断言していました。さすが日テレを独立したアナウンサー。しかし親の意向に左右されやすい素直な学生が3割強もいるのだから、それなりに効果があるのかもしれませんよ。
あわせてよみたい:新人に「採用ミス」と言って炎上