「教師は聖職じゃない。なぜ激務が放置されるの?」 匿名ダイアリーに共感集まる
筆者はテレビ番組で、仕事内容のわりに給料が少ないと不満を漏らす元教師に対し、「先生なんだから給料うんぬん言うな!」「子供への愛情があればむしろ無給でもいいくらいだ」と言う人を見て驚いたという。
教職を目指す人の多くは子どもが好きで、教育に情熱を持っているとしつつも、それは自分の子供に向けられる無償の愛ではなく、日本の未来を支える子どもたちへの教育的愛情に過ぎないと指摘。「先生だから子供へ無償の愛を注ぐことができるかというと別の話だ」と疑問を投げかけた。
さらに、教員は言うことを聞かない生徒だけでなく、ことあるごとに口を出してくる親に対応しなければならない。しかし世間からは「先生だから仕方ない」「子供への愛情があればできる」といった言葉が浴びせられる。こうした状況を筆者は、
「どうして先生だけ、先生だからって激務が放置されるの。そんなのひどい。子供が好きだったのにこれじゃ、子供を好きなままでいられないよ」
と批判している。
深刻なブラック部活問題、100日間連続勤務した教師も
教員の仕事の中でも、部活動顧問による負荷は深刻だ。教師は強制的にどこかの部活の顧問をやらされることが多いが、放課後に生徒の部活動を指導した後に、授業研究や教材作りなどをしなければいけないため、帰宅が深夜0時を回ることもある。土日も部活のため休めず、100日間連続で勤務をしたり、休みは年に7回しかない教師もいる。
事態はかなり深刻で、2011年に大阪・堺市の市立中学校で、バレー部顧問をしていた当時26歳の男性教師が死亡。その後、過労死認定された。
文部科学省は、休日に部活動を指導した際に支給する部活動手当を来年度から2割増額する方針を決めたが、現職の教師からは「根本的な解決にならない」と反発の声が出ている。今回の匿名ダイアリーの記事対しても、はてなブックマークでは、
「いや、マジで大変だと思う。とりあえず部活顧問は廃止」
「公務員は法律を守るべきだと思う。週40時間。決められた仕事以外、つまり部活はやめるべき」
といった声が挙がっていた。
新卒の6割が学級担任「22歳の新卒に一人前の仕事を任せる企業があるか?」
若い教師への負荷も問題だ。朝日新聞の7月31日付けの記事によると、全国の公立小中学校で退職する教員数が2年後にピークを迎えることを受け、経験が浅い教師が増えているという。中学校では、1年目で学級担任をする教師が6割を超えていると報じている。
これには匿名ダイアリーの筆者も、「22歳の新卒に一人前の仕事を任せる企業があるだろうか?」と批判している。ブックマークでも、「もうクラス制度やめたらどうかと思う。全部大学みたいに生徒が授業のクラスに行くじゃダメなのかな」という声も出ていた。
「聖職」と勝手に呼んでおいて、過度に責任を負わせて追い込むのは問題だ。教育の質を低下させないためにも、待遇改善が必要だろう。
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