「人生終わらせてやる」「精神的におかしい」 2016年度「働く人の電話相談」のひどすぎる内容
日本産業カウンセラー協会は10月17日、2016年度に実施した「働く人の電話相談室」の結果を発表した。同協会では、日本労働組合総連合会と協力し、2007 年 から「働く人の電話相談室」を開設。今年は9月9日~11日に実施し、電話で寄せられた相談の内容をまとめた。相談人数は延べ467人、件数は756件だった。
リリースの中では、「仕事でミスをすると脚を蹴られる」「パワハラを訴え配置換えされた後に導入された人事評価で不当に評価を低くされた」などのひどい相談内容が紹介されている。
「挨拶しても無視され、2人きりだと怒鳴る。機嫌が悪いと舌打ちをされる」
相談内訳(男女計)を見ると、1位が「職場の悩み」(266件)であり、全756件の相談の35.2%を占め、2位の「家庭に関する悩み」(13.4%)を大きく引き離している。
「職場の悩み」の相談266件の内訳を見ると、1位が「人間関係」で39.8%(106件)と約4割に上る。2位は「パワハラ」で57件(21.4%)だった。パワハラの相談は、昨年は44件だったので、この1年で約3割増加していることになる。
リリース内では、ハラスメントが疑われる事例を紹介している。分かりやすい嫌がらせとしては、「仕事でミスをすると脚を蹴られる」といったもののほか、
「挨拶しても無視され、2人きりだと怒鳴る。機嫌が悪いと舌打ちをされる」
「職場の同僚からストーキングされ自宅を知られた。更衣中の覗きがあった」
という大人げないものも。中には「職場の同僚からストーキングされ自宅を知られた。更衣中の覗きがあった」という事例もあったが、これはもう警察案件だろう。
「給料どろぼう」「殺してやる」と言われた人も
また、「深夜までの長時間労働・サービス残業を強制させられている」といった労基法違反が濃厚なケースもある。
「会社から誓約書の署名・提出を強要され、給与カット、各種手当てやボーナス不支給を告げられた」
「休日も仕事の電話。週1回の定休日以外にある月2回の休みを取らせてもらえない」
こちらはもう労基署に相談してしまった方が話が早そうだ。
会社で言われたひどい言葉としては、「再婚したら」「2人目も産んだほうが良い」「ババアはいらない」「もっと若い女性社員ならいいのに」という、女性に対して言われたと思われる言葉のほか、
「生意気」「給料どろぼう」「バカヤロー」「能力が無い」
「あっちに行け」「何もするな」「もうお前は要らん」 「人生終わらせてやる」「おとなしく言うことを聞け」
「辞めて結構」「殺してやる」「精神的におかしい」「狂ってる」
といった罵詈雑言も紹介されている。パワハラといえば、電通の新入社員の女性の自殺が記憶に新しい。亡くなった女性は、上司から「君の残業時間の20時間は会社にとって無駄」「今の業務量でつらいのはキャパがなさすぎる」などの暴言を言われていたことを自身のツイッターで投稿していた。
悩める40代男性 上と下の世代の板挟みの苦悩か
相談者467名のうち、約60%は女性(271名)であり、女性の方が悩みを相談する傾向が強い。男性の相談件数が増えるのは40代で、ほかのどの世代と比較しても高い。女性も40代、50代の相談件数が増加していた。
この世代の相談内容は、「自分自身の生き方」についてが多い。40代、50代といえば、会社では中間管理職として上の世代と下の世代との間に立つことが多く、日常的に苦悩を感じている様子が見てとれる。
悩みの相談相手では、公的機関が67人で1位、上司が46人で2位、知人・友人が43人で3位だった。生きていれば何かしら悩みを抱くものだが、自分だけで抱え込まず、しかるべき相手に相談するのが得策だろう。
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