サービス残業?ただの賃金不払いだろ! ネットでは「無賃残業」や「実質0円残業」と呼ぶべきとの声
世の中、わけのわからないことだらけである。たとえば、「サービス残業」という言葉がある。雇用主からお金をもらわずに行う時間外労働のことで、実に多くの企業で当たり前のように横行している。
基本的にはあってはならないものなんだけども、なんせ労働者は往々にして雇用主よりも立場が弱いと思い込んでいるので、甘んじて受け入れているのが実情だ。(文:松本ミゾレ)
「違法就労」「おもてなし残業」という案も
それにしても、このサービス残業という単語、どうにも労働者を舐めくさったような響きがある。人を就業時間後も拘束し、タダ働きさせているのに「サービスで働いてや~」みたいな感じが気味悪い。
仕事が遅い人だけでなく、真っ当に一生懸命働いている人までもが、被害にあっているのだが本当に嫌気が差す。
さて、先日「2ちゃんねる」を眺めていると、こんなスレッドを目にした。
「そもそも『サービス残業』っていう呼び方がおかしいだろ…まずこれを改めるべき」
うん、その通りである。こんな呼び方は労働者を馬鹿にしている。ではどんな呼称が適切なのだろう。このスレッドに挙がっていた候補を、いくつかご紹介したい。
「違法就労」
「奴隷残業」
「バカ残業」
「実質0円残業」
「おもてなし残業」
「脱法残業」
など、パンチの効いたワードが並んでいる。「労働搾取でええやろ。搾取されてるだけや」という声もある。どれも本質的にはサービス残業とやらの実態を上手く指摘できているので、本当に「暴走族」が「珍走団」と呼ばれるようになったように、名称を改めてもいいのかもしれない。
さすがに「あそこの会社は“労働搾取”してるってもっぱら評判だ」なんていわれたら、「やりがい」とか「感謝を集める」なんて危ないことを言わない、まともな雇用主なら焦るだろうし。
働く側も理不尽を再度自覚して考え方を改めた方がいい
このスレッドを立てた人物は、「無賃残業とかにすべき」と提案している。これもシンプルだけどしっくりくる。結局、無賃で残業をさせられる状況に変化はないとしても、サービス残業のような生ぬるいワードで誤魔化されるよりは、よほど労働者自身が自分の状況を省みるきっかけになる単語だろう。
中には「こんな安月給で、無賃残業も月に100時間もあるんだから、もっといい職場ぐらいあるだろ」と転職に前向きになる人も増えるかもしれない。人材が流出すれば、雇用主も考え方を改めなければならなくなる。
サービス残業が横行している職場って、結局労働者を大事に思ってないからそういうことができるわけで、では労働者がどんな態度で改善を改めさせるのかと問われれば、転職も立派な手段だ。サービス残業というぬるい表現を使っている雇用主に目を覚まさせるには、どこかで労働者も目を覚まさないといけない。
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