「社会人ならゴルフくらいやれ」に批判相次ぐ 無理強いすれば「ゴルハラ」になる可能性も
スレッドでは、「前いた会社はゴルフかテニスどっちか半強制でやらされたわ」という書き込みが寄せられていた。やはり無理やり始めた人はいるようだ。
スレ主はゴルフを始めるにあたって「中古フルセット4万 スパイク0.6~1万 その他1万」といった具合に投資したというが、他のユーザーからは、お金がかかることへの懸念を示す意見が目立つ。「回るのにまた結構かかるんやろ そのあとに飲みに行くのもセットみたいやし負担がなぁ」「土日祝とかしかできないから、けっこうかかるんだよな」などだ。確かに土日のコース料金は平日よりも割高だ。
ゴルフというスポーツ自体の面白さがよくわからない人も多い。
「あんな小さい球を小さいホールにセコセコ入れるの考えただけで嫌やわ」
「打つ時間より歩く時間のほうが圧倒的に長いんやろ あほくさい」
スレッドの書き込みだけではゴルフがなぜ不評かがわかりにくいので、筆者(編集部S)の体験をシェアする。当時勤務していた不動産会社では頻繁にゴルフコンペが行われており、男性社員でゴルフをしないと肩身が狭かった。そのため上司や先輩からの圧力に屈し、ゴルフを始めたが、簡潔にまとめると以下のような点に負担を感じた。
・月額1万円のレッスン料を自己負担。結局1年半通った。
・クラブやグローブなどの道具を自己負担で購入。
・レッスンは仕事帰りや休日に行うため、プライベートの時間が削られる。
・コース回りのときは、早朝から夜までつぶれる。さらに1万5000円ほどのコース料金を自己負担。
・コースでは上司・先輩に気を使いっぱなし。
・スコアが悪い場合、走りっぱなしなので体がヘトヘトになる。全く楽しくない。
お金だけでなく、時間的な負担もある。ゴルフ場は一般的に郊外にあるほか、プレイは朝8時開始など早いため、朝5時に集合して車に相乗りして向かっていた。
以前茨城県にあるゴルフ場でプレイしたときは、神奈川県内にある自宅からでは間に合わず、千葉県内のホテルに前泊して対応したこともあった。ホテル代は自己負担であった。建前上は自由参加ではあるが、非常に断りにくい雰囲気で大変だった。
「接待ゴルフも仕事のうち、というのは一時代前の考え方」
一方で、上司と一緒にゴルフをしたことで出世したり、仕事が円滑に進むようになった、という人もいるようだ。2009年にヤフー知恵袋に寄せられた相談では、「就職後にコンペで取締役クラスと知り合って仕事がやりやすくなった」というエピソードも見られる。また、
「またゴルフが上手くなっていく過程で、だんだんと心が鍛えられてそれが仕事面でプラスに働くということはあるかもしれません」
など、精神修養的な効果もあるようだ。
とはいえ、気乗りしない人に強制するのはいかがだろうか。総合ゴルフショップのゴルフパートナーが2014年に掲載したブログでは、「ゴルハラ(ゴルフハラスメント)」という言葉を紹介。「行きたくない人を無理やりゴルフに誘うこと」だといい、
「接待ゴルフも仕事のうち、というのは一時代前の考え方なのかもしれません。そのゴルフ代が経費として落ちないのであれば仕事とは言い難い」
と指摘した。ゴルフにより人間関係が向上するメリットはあるが、無理強いすればハラスメントになりかねない。気を付けたいところだ。