時間外労働の一律上限規制に中小企業が難色 規制強化よりも「労働者・経営者の意識改革が必要」 | キャリコネニュース - Page 2
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時間外労働の一律上限規制に中小企業が難色 規制強化よりも「労働者・経営者の意識改革が必要」

法規制には効果がないのだろうか

法規制には効果がないのだろうか

こうした政府の動きを受け、日本商工会議所は昨年秋に、全国の会員企業に対して意識調査を実施。1581社から回答を得て、「時間外労働規制に関する意識調査」としてまとめた。

回答した企業の内訳は、従業員数が50人未満の企業が56.9%(900社)、50人~100人未満は12.0%、100~300人未満が12.3%となっており、中小企業が大半だ。300人以上の企業は12.3%に留まっている。

調査結果によると、労使が合意すれば時間外労働の上限がなくなる「36協定」を締結しているのは全体の72.0%(1139社)。そのうち「36協定」の見直しに賛成しているのは53.8%(613社)だった。

見直しに賛成した企業のうち、見直しの方向性については、「一律に規制するのではなく、柔軟な制度設計とすべき」と答えた企業が74.4%に上った。見直しに賛成する企業は少なくないが、政府の導入しようとしている一律の上限規制には難色を示す企業が多いようだ。

長時間労働を是正するために必要な取り組みとしては、「労働者・経営者の意識改革」(39.0%)と回答した割合が最も大きく、「トップの強いコミットメント」(36.7%)がそれに続いた。一方で、「労働法・制度の規制強化」は長時間労働是正として「効果的でない」という回答が25.6%に上った。

この調査結果の概要が報道されると、ネット上では反発の声が相次いだ。

「上限は過労死ラインギリギリいっぱいに設定で調整が進んでるんだよね。(それなのに)『過労死ラインでの規制じゃ厳しすぎる! もっと働かせろ!』って主張してるんだからすごいよね」
「例外を許したから、こんな社会になってしまったことを政府は理解したほうがいい。命にかかわることだから利益のためならすぐ暴走する企業には法的な規制は必要」

「時期によって繁閑に差がある。残業をしてでも受注をすることもある」

「柔軟な制度設計」を求める企業が多いのはなぜなのか。日本商工会議所の担当者は、キャリコネニュースの取材に対して次のように語った。

「年末や年度末にはどうしても仕事が増えるなど、時期によって繁閑に差があります。また残業をしてでも受注をすることもあります。業種や業態などによっても事情が異なるため、一ヶ月あたり何時間など一律で上限規制を設けられると困るという企業が多いのでしょう」

そうした点を踏まえて、同団体は政府に対して3つの要望を出したという。

「1つは、業態や業種ごとに上限を設定すること。そして繁閑の差があるため、年間平均や何か月かの平均での上限規制を設けること。最後に、長時間労働の是正には労働者・経営者の意識改革が必要ですので、罰則の伴う上限規制の施行には時間の猶予が必要なのではないかということです」

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