他人の配偶者は何と呼ぶのがスマートなのか? 「奥さん」「嫁さん」呼びに抵抗がある人も
投稿者は、「奥さん」と呼ぶと、「別に奥にいねぇしみたいに言われて辛い」などと思っている。考え過ぎな印象も受けるが、同様のことを感じている人はいるようだ。はてなブックマークでも以下の投稿があった。
「これって案外難しい。自分の配偶者については『カミさん』ということにしているが、相手の配偶者だとねえ。まあ大体『奥さん』『旦那さん』と言ってるけど他にいい表現ないし」
呼び方として、「結婚相手 みたいな言い方はどうでしょう?」と提案する人物もいる。その理由は、「男でも女でも問題ないし、どっちが上とも下ともとれない」だという。ほかには、「ご配偶者」という新語を作ることを提案する人もいたが、いまいちしっくりこない。
他人の配偶者の呼び方はネットで取り上げられやすいテーマだが、正解はなく堂々巡りになりがちだ。「どう呼ぼうががたがた言う人がいる」と諦め気味の人物は、このように対応しているという。
「『えっと…奥さん?…ていうかその…』とかゴニョゴニョするのがいちばん日本語らしいという結論に達したよわたしゃ」
専門家は「パートナー」のような無性別で形式にとらわれない言い方を提案
専門家はどう考えているか。北九州市立大学の教授で日本語教育、社会言語学(ことばとジェンダー)が専門の水本光美氏が2010年に日本語ジェンダー学会のサイトに寄せたエッセイでこの問題に触れている。「改まった場における他人の配偶者の呼びかた」というタイトルだ。
「他人の配偶者に関しては、『妻』『夫』に匹敵するジェンダーフリー的な言葉がないのが現状だ」と指摘し、
「後は『おつれあい』や『ご伴侶』、それから『妻さん』『夫さん』などの言葉を積極的に使っていこうと思う」
と書いていた。
水本氏は2015年に寄せたブログ、「他人の配偶者をどう呼びますか?」でもこの問題に言及。5年経っても他人の配偶者のよい呼び方はなく、「夫さん」「妻さん」を使ってみても、ほとんどの場合は変な顔をされるのが落ちだとしている。そのうえで、
「『パートナー』のような無性別で形式にとらわれない柔軟性のある言い方もいいかもしれませんね」
と結んでいる。最近は実質的に夫婦なのに、籍を入れないカップルも珍しくない。「パートナー」なら、形式にとらわれずに使えるのでたしかに便利だ。