「親のせいにするな」と言う人に限って恵まれた環境で育っている説 「劣悪な環境で育ったら自己責任なんて言えない」
具体的なエピソードがないため、スレ主が本当に恵まれない環境で育ったか真意は定かではないが、主張に賛同する声が続出している。
「アル中の親父をもって毎日殴られてから同じこと言ってみろよ!」
「劣悪な環境で育ったらまずそんなことは言えないわな」
生まれてくる家庭や育つ環境は選べない。にもかかわらず自己責任論を押し付けられれば感情が逆なでされて当然だ。
昨年12月には、返済義務がない給付型奨学金に反対する上西小百合議員が「大学行けばなんとかなるなんて甘い。稼ぐなら中学から働いたって稼げます。本当に勉強したいなら社会に出てからだってできます」とツイート。自分でお金を稼いで大学に行ったのかという問いに対して、「家が裕福だった」と投稿して炎上した。スレ主の主張も、こういったところから来ているのだろう。
一方で、「優秀な奴はどんな親・環境でもそれなりに育つ」「親や環境のせいにしたところで、悪い現状は何も変わらんで」など、本人次第だという意見も見られた。「生まれた環境に甘んじて腐るかヤケクソの精神でのし上がるか」というのだ。
親の年収の高さは子どもの学力に影響するというデータも
反対に、「俺は比較的良質な環境で育ててもらったけどやっぱり親の影響ってのはでかいと思う」「親で九割決まる」など、育った環境は大切だという意見も多い。頭が良かった友人が、両親の離婚をきっかけに成績が下がったというケースを書いた人もいる。
2009年にお茶の水女子大学の耳塚寛明教授らのグループが発表したデータでは、世帯年収が高い家庭や、学校外教育支出が多い家庭の子どもほど学力が高いことが示されている。経済的に余裕があれば、子どもの教育にお金を使えるのだろう。
高い学力があれば、将来高い教育を受ける機会が増え、結果として高年収な仕事に就ける可能性は高い。
環境の大切さについては、「孟母三遷の教え」として古くから語り継がれている。古代中国の儒学者、孟子の母が、彼の教育のためにと3度引っ越しをし、勉学に適した環境を整えた、という話だ。
しかし、余裕がなければ環境もへったくれもない。昨今、子どもの貧困が問題になっているが、未来ある子どもの将来を潰さないよう、教育格差をなくしていくことも大事だろう。