和食中心の食事でも死亡リスクは下がらない? 日本人8万人を追跡調査したレポートで明らかに | キャリコネニュース - Page 2
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和食中心の食事でも死亡リスクは下がらない? 日本人8万人を追跡調査したレポートで明らかに

Q4に近づくほど、その食事パターンを取る頻度が多い

Q4に近づくほど、その食事パターンを取る頻度が多い

同センターは、集団を長期間観察し、様々な生活習慣と、がん・脳卒中・心筋梗塞などの疾病との関連を明らかにする試み(多目的コホート研究)を行っている。今回の結果は、研究開始時に全国10か所の保健所管内に住んでいた40~69歳の男女約8万人を対象に、14.8年かけて調査し、明らかになった。

研究では、調査票で聞いた計134項目の食品・飲料の摂取量に応じて、食事の特徴を以下の3つに分類した。

「健康型」(野菜や果物、いも類、大豆製品、きのこ類、海藻類、油の多い魚、緑茶などが多い食事)
「欧米型」(肉類・加工肉、パン、果物ジュース、コーヒー、ソフトドリンク、マヨネーズ、乳製品などが多い食事)
「伝統型」(ご飯、味噌汁、漬け物、魚介類、果物などが多い食事)

その上で、対象者の食事内容がこれらのパターンにどのくらい近いかに基づき、4グループに分類。追跡調査期間中に発生した死亡との間に、どんな関連があったかを調べた。

その結果、健康型食事パターンを多く取るグループは、あらゆる死因による死亡(全死亡)のリスクが約2割、循環器疾患志望のリスクが約3割低下していた。また、欧米型食事パターンを多く取るグループでも、全死亡、がん死亡、循環器疾患死亡のリスクが低下する傾向が見られたという。

欧米型食事パターンと死亡リスクとの関連

欧米型食事パターンと死亡リスクとの関連

肉類の摂取量や、塩分の少なさなどが死亡リスクを下げた要因か

同センターはこの理由について

「肉類・加工肉は、全死亡のリスク上昇との関連が報告されていますが、日本人は欧米人に比べ肉類の摂取量が少ないことや、欧米型食事パターンに関連した他の食品(コーヒーや牛乳・乳製品など)の好ましい効果によって、全死亡および循環器疾患死亡のリスクが低下したと考えられます」

と述べている。また、欧米型食事パターンは塩分摂取量が少ないため、塩分控えめの食事によって循環器疾患の発症が抑えられ、循環器疾患死亡リスクが低下したのではないかとも推測している。

健康型食事パターンについては、循環器疾患のリスク低下と関連がある複数の栄養素、多価不飽和脂肪酸やマグネシウム、カリウムなどを多く含む食材を用いているためではないかと指摘。伝統型食事パターンには、死亡リスク低下との関連は見られなかったという。

なお、欧米型食事パターンはがん死亡リスク低下との関連もあったが、「がんの部位によって関連する栄養・食事因子が異なるため、更なる研究が必要」とのことだった。

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