企業の4割、就活生の親に「オヤカク」実施 「親向けパンフレット」を作成する企業も
企業の採用支援などを行うネオキャリアは2月27日、「就職活動における『企業』と『親』に関する調査」の結果を発表した。対象は、企業で採用業務に関わる男女と、首都圏、関西、東海地方に在住で、今年3月に大学・大学院を卒業する子どもを持つ親。310の企業と、618人の親から回答を得た。
就職活動で、内定の承諾を親が賛成しているかどうか企業が学生に確認する行為を通称「オヤカク」と言うが、子どもの内定後、企業からなんらかの「オヤカク」を受けた親は全体の21%だった。内定後に何らかの「オヤカク」を行った企業は41.3%だった。
「オヤカク」施策例には「親向けホームページの作成」「親向け動画の作成」
企業が「オヤカク」で実施した施策としては「企業情報資料を親へ配布・送付した」(18.4%)が最も多く、2番目が「企業からの電話による挨拶を実施した」(8.1%)、「親向けの内定同意書を配布・送付した」(6.8%)だった。
一方、親が受けた対応は多い順に「企業情報資料を受け取った」(10.8%)、「親向けの内定同意書を受け取った」(6.1%)、「親向けの内定理由通知書を受け取った」(2.1%)。企業の取り組みとは少し差がある。
企業が「オヤカク」に関するそれぞれの施策にかけている費用は、「親向けパンフレット、説明冊子」の作成や「セミナー、懇親会開催費」など、それぞれ「10万円未満」が最多だった。施策の中には、「親向けホームページの作成」や「親向け動画の作成」などもあった。
「親の関与が強い場合、採用を見送ることがある」という回答も
子どもの就職活動に対する親の考えとして最も多かったのは「子どもに就職してほしい企業とそうでない企業がある」(56.6%)。2位の「自分だけで決めて欲しい」(56%)とは僅差で、複雑な親心が垣間見えた。「子供が内定を貰った企業でも、企業によっては子供に内定辞退を促す」は22%と、親の約5人に1人は辞退を促すという結果になった。
これを反映するかのように、新卒学生の就職で親の関与度が上がっていると感じている企業は多く、全体の58.7%に上る。「親の意向で内定辞退を申し出てきた新卒学生がいる」と答えた企業の割合も、企業規模が大きくなるほど増える傾向にある。親が学生の就活に強く関与していると感じた場合、30%の企業は「採用を見送ることがある」とも回答している。