2018年新入社員の傾向「自己肯定感が高い」「自分と違う意見に排他的になる」? 「まじめで素直」は過去5年と変わらず
ファーストキャリアは7月6日、「新卒・若手育成研究所」調査レポートを発表した。調査は今年4~5月に実施し、2018年新入社員、人事・研修担当者、研修担当講師、計1970人から回答を得た。
2018年卒の新入社員は過去5年間と同じく、「まじめで素直」「周囲との関係性を築くことが早い」「集団行動では出過ぎない」という「おとなしくて同調性重視」の傾向が多く見られた。その一方で、
「自分の考えを持ち、積極的で発言力がある」
「自分の考えに合致しないことに関しては、ときに排他的になる」
という「積極的で自分基準重視」の傾向も見られ、二極化が進んでいるという。
「フルゆとり」「スマホネイティブ」「超売り手市場」が自己肯定感の高さに?
新入社員へのアンケートでも、自分たちが自覚しているプラス面の項目として、「コミュニケーション能力が高い」(60%)、「向上心が高い・積極性がある」(42%)、「真面目で責任感がある」(26%)が上位3位にあがった。
一方、マイナス面の項目として「主体性がない・積極性に欠ける」(46%)、「控えめで大人しい・内向的」(33%)が多く、調査元は「プラス面と反対のような項目もあがり、『二極化』の傾向を裏付けるものとなりました」とコメントしている。
今年度新入社員の大半を占める1995年生まれは、小学校入学から高校卒業までゆとり教育を受けている「フルゆとり」だ。また「スマホネイティブ」世代であることから、調査元は「自分基準で瞬時に情報を取捨選択することに慣れている」と分析。
また就職活動は超売り手市場で「評価する立場、選ぶ立場」を強く体感している世代であり、「自己肯定感」や「自分視点軸」がより強まっていると考えられる。
過去の新入社員の特徴としては、2017年はいわれたことをすぐに理解し、行動に移せるが、周囲に気を遣いすぎる傾向がある。2016年は仲間との一体感を創り上げることが得意だが、コミュニケーションに消極的な面があり本音が見えにくい、とされていた。
強みは「成長意欲が高い」、弱みは「関心以外のアンテナが動かない」
人事・研修担当者、研修担当講師に「新入社員の強み」を聞くと、「成長意欲が高く、基本的に前向きでエネルギーがある」(77%)が最多で、次いで「他社への貢献意欲は高く、期待を感じると活性化する」(42%)が続く。
一方、弱みを聞くと「相手視点、全体視点が弱く、関心以外のアンテナが働かない」(42%)、「正解がないものへの動きが鈍い」(35%)、「報連相の不足・納期意識が低い」(31%)など周囲との連携が不得意という傾向が見られた。
ちなみに新入社員に「自身が望む『育てられ方』」を聞くと、「実践の機会・経験を積む場を設ける」(52%)と「自ら考えさせるようにする」(50%)など、全体的に挑戦意欲が現れている。
この結果から、育成側は自己肯定感を大切にしながらも少しハードルを上げた目標・役割を与えること、同時に内省のサポートも行うことをポイントとして挙げている。また「自分視点」だけでなく「相手視点」「全体視点」を意識させることも重要だとしている。