先輩社員の3割「若者には学ぶべきところがある」 一方、学ぶ志向が低い人は「若者は愛社精神がない」「自分勝手」と評価
リクルートマネジメントソリューションズは7月10日、「若者から学ぶ大人」の実態調査の結果を発表した。調査は今年3月にインターネットで実施し、30~65歳までの会社員444人から回答を得た。
若者に対して、「知識・スキルを教えている」と思っている人は40.8%。また「考え方や価値観について教えている」という人も24.3%いた。
一方、若者から「自分にない知識・スキルを学んでいる」(20.3%)、「自分にない考え方・価値観を学んでいる」(23.2%)も2割程度。「今の若者は、自分たちの世代にはないよいところや学ぶべきところがある」(27%)は3割近くが回答していた。
50代よりも30代の方が若者から学んでいる傾向
これらの項目について、「全く当てはまらない」が1点、「あてはまらない」が2点、「どちらかといえばあてはまらない」が3点、「どちらかというとあてはまる」が4点、「あてはまる」が5点、「当てはまらない」を6点と換算。平均得点を集計すると女性より男性の方が自分の知識や考え方を若者に教えたがる傾向があることが分かった。
年代別に見ると、世代間の差が最も大きいのが「若者から、自分にない考え方・価値観を学んでいる」で30代が6点中3.9ポイント、50代以上が3.5ポイントとなっている。調査元は
「歳を重ねるほど、人は『知識・スキル』よりも『考え方・価値観』を新たに学んだり変えるのが難しくなり、自分の経験や価値観に固執することを示唆しているのかもしれません」
とコメントしている。
また若者から「学ぶべきところがある」と回答した人のうち、5~6点の「とてもあてはまる」「あてはまる」と回答した人を若者から学ぶ志向が高いHグループ、3~4点の「どちらかといえばあてはまる」「どちらかといえばあてはまらない」の中程度のMグループ、1~2点の「あてはまらない」「全く当てはまらない」の低いLグループに分類すると、
「明らかに違うとか稚拙だと思う意見であっても、そこに何か本質や真実があるかもしれないと捉え、発言の意図や理由を聞くようにしている」(H:4.5ポイント、L:3.7ポイント)
「今までのやり方や考え方に拘らず、意識的に新たな考え方ややり方を学び取り入れるようにしている」(H:4.6ポイント、L・3.8ポイント)
などで各0.8ポイントもの差が付いた。
「新感覚の商品などを若い方から教えていただいております」
若者に対するスタンスの違いはフリーコメントでも明らかとなり、Hグループでは「(若者は)新しい物やサービスをフットワーク軽く使いこなしているので、いいものについて教えてもらったりする」「新感覚の商品などを若い方から教えていただいております」といった声が寄せられた。
また周囲との関係性についても「(若者は)他の者を蹴落としてでも這い上がろうとせず、協力しあって共に上を目指すスタンス」などと評価。また自分のプライベートを重視する点につては
「飲み会や親睦会という名のお付き合いに過度に参加しなかったり、サービス残業についての考え方を聞くと驚くが、勉強になることもある」
といった声が寄せられている。一方、Lグループでは若者の自分主体のスタンスを「愛社精神はなく、転職もありきで考えている」「自分さえ良ければ良いと思っている」など”自分勝手な特徴”とネガティブにとらえている傾向があることが分かった。