編集プロダクションで働く人たちの憂い 「古株スタッフでも雇用はバイト扱い」「月給22万円でストップ」
AD、アニメーターなど他業種の制作会社や下請けスタッフの口コミでも定番だが、編集プロで働く人たちからも、「一人あたりの仕事量が多かったです。0時を過ぎる残業も多かったです。仕事量によって休日に出勤もあります。残業をしている人が多かったと思います。プライベートとの両立はあまりのぞめません」(編集 20代前半 女性 年収240万円)など、長時間労働に対する不満の声が相次いでいた。
「新人でも裁量を持って、仕事をまかせられるという魅力の反面、その仕事量・質をこなすために労働時間が長時間に及ぶ。仕事が終わらない場合は当然、深夜までの残業や休日出勤もある。また、残業代もでないため、『編集スキルを身につけたい』という強い意志がないとかなり厳しいと思います。そのため離職率も高いです」(編集 20代前半 女性 290万円)
「原稿の締め切り時間に追われたり、取材に同行したりするため、プライベートを満喫したい、という方にはあまりオススメしません。昼夜逆転するような生活になる場合もあるので、寝不足になってしまうことも。若くて体力があるうちは続けられますが、齢をとってくると結構きつくなるかもしれません」(ライター 20代後半 男性 年収300万円)
薄給ぶりを嘆く内容も多く、小規模な会社では「古株のスタッフでも雇用はバイト扱い。所得税を引いた『原稿料』という名目で報酬が支払われていて、健康保険や厚生年金は個人で支払わせていた。入社に際して書面の作成などもなく、雇用関係に関してはかなり曖昧な部分が多かった。また、早朝から深夜まで働いても残業代や休日出勤手当なども一切支給されず、労働環境はよくなかった」(ライター 20代後半 男性 年収200万円)という口コミも。
「いわゆる編プロだけあって、待遇は悪いです。初月は額面17万の手取り15万。その後半年に一度5千円ずつあがってゆくも、確か22万でストップ。誰がこんなシステムを考えたのが謎ですが、『出版業』に憧れる若者を搾取して、軽作業を延々とさせている感じです。向上心がある人ならすぐに退社すると思います」(編集 20代前半 男性 年収300万円)
「スタートは一律で月給16万で、年に一度改定。同業他社(編集プロダクションなど)に比べれば報酬額はけして低くはないが、関わる仕事の規模や量を考えると、ちょっと物足りない額と感じていた。給与は毎月末に銀行振込で支給されるが、年末年始や祝日休日が重なる場合はしばしば遅配もあった」(ライター 20代後半 男性 年収200万円)
「自分の頑張り次第で、どんどん力をつけていける環境」
離職率が高いのと同時に、その入り口は出版社ほど狭くない。アルバイトで採用されていた学生をそのまま正社員として採用するといった例も珍しくないようだ。編プロで経験を積めば、より待遇の恵まれた版元へ転職するという道もある。
「編集の仕事なので、締め切りとの勝負となり、朝夜の勤務はかなり不規則になります。また、それほど人数がいない中でみな担当をいくつも掛け持ちするので仕事自体はかなりハードワークです。休日も仕事していることが当たり前となります。評価制度等は特になく、給与がなかなか上がりにくいという点もありますが、未経験の若手にも取材のチャンスをくれるなど、いいところもあります」(ライター 20代後半 男性 年収300万円)
「料理本や歴史本などいろいろなジャンルに携われるのがよいと思います。ライティング能力も身に付きました。ただ、みんな仕事に追われて忙しくて上司によってはあまり時間を割いて教えることをしない人もいました。ですから、いい上司を見つけるか、自分で独学で学んでいくしかありません」(編集 20代前半 女性 年収240万円)
「新人でもかなりの分量の仕事を自分でこなしていかないといけない。そのため、知識や経験不足で大変な部分もありますが、自分の頑張り次第で、どんどん力をつけていける環境かもしれません。また、編集プロダクションであるのにもかかわらず、制作するだけではなく、企画から携われる部分が大きいのも魅力のひとつです」(編集 20代前半 女性 年収290万円)
もっとも、「面白味はありません。校了日はもちろん残業です。しかもどんなにがんばろうとも給料は上がらず、ボーナスもなく。向上心がある人ならすぐに退社すると思います」(編集 20代前半 男性 年収300万円)という口コミもあり、やりがいなどについては当然、会社との相性もあるだろう。
編プロで働く際は高い待遇が望めないだけに最低限、事前に制作実績などを確認するなどして、自分がやりがいをもって働けるか調べておいた方がいいだろう。【参照元 キャリコネ】