ブラック企業の悲惨な日常「父の日は社長にプレゼント」「育休は会社への背信行為で待遇格下げ」「休みは月1日あればマシ」
「ブラック企業大賞2018」のノミネート企業が12月5日に発表された。どの企業が大賞を受賞するかは23日の授賞式で明らかにされるだろうが、「スルガ銀行」や「三菱電機」など世間を騒がせた企業9社が名を連ねている。
ブラック企業の状況を改善すべく、政府は来年4月から「罰則付き残業上限規制」「年次有給休暇の取得義務化」といった施策を来年以降にスタートするが、どれほど効果があるかは疑問だ。
現在ブラック企業に勤務する人は、どんな思いで働いているのか。キャリコネ会員・キャリコネニュースSNSフォロワーから寄せられた体験談を紹介する。
営業職として働く30代男性は、転職初日から日付が変わるまで残業させられてしまう。上司からは、
「お前ら中途入社の者達は落ちこぼれだ。何かしらのつまずきがあってここに来てる訳だから本気でやれ。お前らの代わりはいくらでもいる」
などと暴言を吐かれ、ノルマ達成できない場合は強制的に自主退職させられる社風だと明かした。
社保ナシ、有休ナシ、16時間労働、遅刻するとビンタという環境で2年耐えた人も
飲食店で正社員として働いていた30代男性は、社会保険もボーナスもなく、有給も取れない環境で2年間耐えた。1日に16時間労働は当たり前で、休みは1か月に1度あればマシ。総料理長からのパワハラは常態化しており、遅刻すると?を叩かれた。
技術職として働く40代女性の勤務先では、朝礼と夕礼の時間が長く、誰かを吊るし上げることもあった。長時間労働は当たり前で、現場社員は月の残業時間が100時間に及ぶ。さらに社長は「カリスマ的存在」とされ、マネージャー職はご機嫌取りに必死で、父の日にプレゼントを渡すというから常軌を逸している。
研究開発職として働く30代男性は、育児休業を勤務先に申請したところ、会社への背信行為とみなされてしまった。そのため「会議資料が来なくなったり、3日前に転居を伴う転勤を言われ、断れば待遇の格下げで脅迫された」といった状況を綴った。
保育士「トップが独断で重度障害のある子どもを受け入れ。事故の責任は保育士たち」
介護・保育業界のブラックぶりもひどい。かつて介護センターの拠点長をしていた30代男性は、勤続10年でも給与の総支給額が23万円。手当てが支給さないため、毎月60時間ほどサービス残業をしていた。現在は業界の将来性に不安を感じ転職。長期休暇も取得でき、家族や友人と過ごす時間が持てるようになったという。
保育園で働いていた50代女性は、「残業代は出ず、持ち帰りは当たり前」と当時を振り返る。園長や副園長から「子どもたちのため」と言われ、典型的な「やりがい搾取」状態だった。
さらにトップが独断で重度障がいや食物アレルギーのある子どもを受け入れてしまい、現場に大きな負担をかけていた。事故が起こったときは栄養士や保育士の責任にされたという。女性は、「こんなんで保育士募集しても集まるわけありません」と呆れている。