先日、2ちゃんねるに「30歳無職、パチスロ生活者ですが質問ありますか」というスレッドが立っていた。今となっては絶滅危惧種の、無職でパチスロ一本の生活をしているプロである。彼の場合、毎月平均30万程度を稼いでいるという。年収に換算すると、大体360万程度となる。
ただ、スレッドが立った3月15日時点では、下振れに悩んでいるのか、まだプラス7万円台を突破したばかりだったと書き込んでいる。
この月額30万円って、高いのではないか? という気もしてしまうが、それが現在の日本が不景気の真っただ中にあるからそう感じられるに過ぎない。実際パチプロってほとんどが勝ち金を申告していないので無収入扱い。まあ脱税である。そのため各種税金が鬼のように安い(毎月の健康保険税なんて6000円台という自治体もある!)。
ただ、いかんせんタネ銭は自分のポケットマネー以外にない。案外財布の事情は厳しいようだ。プロの苦境を感じさせるスレ主の書き込みを紹介したい。
「(収入は何に使うか聞かれて)飯とタバコ、家賃や光熱費、ケータイやネット代など。貯金していくにはとても足りない」
「稼働時間は150時間か。多分150~200hくらい稼働してる」
「前に税務署に(確定申告を)しに行ったけど、時期が違うって言われたのと、説明聞いても理解できんかったからそれ以降行ってない。青色申告がなんなのかもわかってない」
貯蓄もそう多くないようで、悲しいかな社会人としての生活経験や知識も疎く、確定申告をしようと思ったことはあったようだが、期間中に済ませるという知識すらなかったようだ。
ということは彼は収入がゼロと見なされていることになるので、住民税も健康保険税も、めっちゃ安いはずである。
だがこういったどん詰まりの状況が一切羨ましくないことは、賢明な読者諸氏であれば理解できることだろう。
30代になると手に職欲しさに資格取得を目指す人も
しかし、パチプロ、スロプロって別に昔からこんな苦境に立たされていたわけではない。むしろ90年代の終わりから00年代初頭にかけては、かなり勝てた。これは当時、ホールに出入りしていた「上手い人」であれば納得できる話だろう。
実際に僕も夜の仕事をしていた19ぐらいのときは、昼間はパチンコホールを出入りして、美味しいところだけいただいて相当甘い汁を吸わせてもらった。それに大学生なんかが徒党を組んで良い台を探し歩いては、荒稼ぎをして新車を購入した、なんて話はよく耳にしていた。
知人にもパチプロがいたが、年収は1000万を突破し、貯金も結構な額になっていたことを僕も知っている。が、彼らはきっと今頃、もう以前のように勝てていまい。なんせ当時は爆裂機と呼ばれる台の全盛期。現在は、そういった台はほとんど姿を消してしまっている。
実際、今回紹介したスレ主なんて、毎月150時間はひたすらパチスロをしていて、それでやっと30万のはした金を得ているのだ。騒音とたばこの煙が充満した環境に、毎月150時間。しかも延々座り仕事である。これは下手をすると、早々に体にガタが来てしまうのではないだろうか。普通に働いたほうが良さそうでもある。
もっと恐ろしいのは、このスレ主のようなギリギリの状態で生きているプロ連中が、全国にまだまだ少なくないことだ。僕もそのうちの数人と付き合いがあるが、やっぱり三十路を超えると手に職が欲しいと思うようになるのか、資格取得に躍起になるプロも多い。
もっとも、元々パチンコはただの娯楽で、お金が発生しない遊びだった。勝てなくなってプロが一掃されれば、おのずと彼らも働く。すると自治体の税収もアップするわけで、これでいいのだろう。