シンドバッド・インターナショナルは5月22日、2019年、2020年の大学入試の結果分析と予測を発表した。
2019年の早慶上智、MARCHの受験者数は、中央大学を除くほぼ全てで前年より減少した。早稲田大学が11万1338人(昨年比95%)、慶應義塾大学が4万1875人(同96.7%)、上智大学が2万7916人(同89.5%)だった。
受験者が唯一増加した中央大学は9万1465人(同104.6%)。MARCHの中で最も減少率が大きかったのは明治大学で11万1304人(同92.9%)だった。
2019年のMARCH入試は「従来受かるラインの受験生が全滅する波乱の結果」
「日東駒専」に分類される専修大学、駒澤大学は逆に受験者数を伸ばしている。同社は「いわゆる”すべり止め”で受ける大学は受験者数を伸ばした」と分析している。
しかし、日大はアメフト部の危険タックル問題もあり受験者が大幅に減った。2018年の受験者が11万5180人だったのに対し、今年は9万2211人(昨年比85.9%)。「日大の受験費用で見れば8億円(推計)ものマイナス」としている。
受験者数が減った分、合格しやすくなったかのように見えるが、実際はそうではなさそうだ。文科省は2015年から2018年にかけて、三大都市圏の大規模・中規模大学の入学定員超過を抑制するため、入学定員充足率が一定の基準を超えた場合に私学助成を全額不交付とする基準を段階的に厳格化した。大学これを受け合格者数を抑制。受験生にとっては実質的に難化している。
2019年の入試でもこの傾向は同様だった。リリースを発表した同社は、
「各大学は合格者を縮小。本来東大・早稲田・慶應クラスを狙える受験生も、浪人を避けるべく確実に合格を決められるMARCHレベルをメインに受験し、従来受かるラインの受験生が全滅する波乱の結果となった」
と振り返っている。
同社は、こうした入学定員管理の厳格化は2020年も続き、「私立難化は継続、安全志向で浪人防ぐ」受験になると予測する。
「特に、大学入試大改革における英語4技能では、センター試験では必要なかった『話す』『書く』が追加される。受験生は2020年で浪人すると、2021年の入試改革の対策が求められるため、”後がない入試”として2020年で確実に受かるための併願受験が増加、今年にも増して現役志向が強まる」
と分析していた。