メルカリの小泉文明社長は、両方三角と回答。終身雇用というよりも、「何歳が定年という規定はない」という。
「これから能力が上がって、70歳80歳でパフォーマンスできるのであれば会社にいてもらっていい」
その上で「定年70歳もあまり意識したことがない」 と語った。 逆に言えば、若くてもパフォーマンスできなければ会社には居られないということだろう。
一方で、みずほFG佐藤康博会長は、「70歳定年」にも「終身雇用」にもバツをつけた。
「例えば銀行員として75歳まで働くのではなく、50、60歳まで銀行員として働いて、ファイナンスの知識を持って地方の中小企業の経営者になるなど、多様な働き方がこれからどんどん出てくる」
「働き方というものを個人個人が意識してやっていかなければ、70、75歳になって、幸せな人生を送ることはできない」
と語り、行員がそれぞれ自分の生き方を考えて、現役時代にスキルを身につけなければならないとの考えを示した。中年期まではいいが、それ以降は自助、ということのようだ。
そのほか「定年70歳」に関しては、こんな回答があった。
「企業によってそれぞれの従業員、雇用形態、人事制度は変わってくる。今までのように一律に『定年が何歳』『終身雇用』ではない」(住友商事の中村邦晴会長)
「70歳定年にしていくのはある意味で賛成する部分がある。元気な人にはチャンスを与えてあげればいい」(JR東日本の大塚陸毅元社長)
大成建設会長「役に立たなかったら70歳前に辞めてもらわなきゃしょうがない」
また「一律で定年なんていうのはあり得ない」と、かなり正直に語ったのが大成建設の山内隆司会長だ。
「役に立つ人は70歳を超えても働いてもらっていいし、役に立たなかったら70歳前に辞めてもらわなきゃしょうがない。一律に70歳まで保障しますなんて、そんなこと言ってられない」
として、「現に70歳を超えて働いてくれている人も、うちの社内にはいますから」と語った。
それぞれ言い方は違えど、経営者からは、あくまで「役に立つ」という条件付きでしか「定年70歳」や「終身雇用」は語れない様子だ。考えてみれば当然だが、これまでは許されていた「終身雇用・年功序列」という制度だけで高給取りになっている社員の存在が、相当重荷になっているのだろう。一方ネット上では視聴者から、「社員をコマ、コストとしかみていない」といった批判が出ていた。
取材した山川龍雄解説キャスターは、若い人に向けての働く側の心構えとして、「50歳定年制のつもりで」とアドバイス。「50歳になって履歴書を書くとき、課長・部長をやってましたとしか書けないと、これからの時代は辛い」 として、「キャリア・技術・人脈」の大切さを語った。