20代と30代の若手社員や、大学時代に難関学会に論文が採用されるなど、高い評価を受けた実績のある新卒社員が対象。成果に応じて支給されていた賞与の上限金額を撤廃する。
同社にはこれまでも、管理職以上の研究者を対象に同様の制度を設けていた。今回の施策は、制度の対象範囲を若手にも広げた形だ。適用者は20人程度を予定しているが、「優秀な方がいればそれ以上になる可能性もある」という。研究分野はAIなどに限らず、同社が行っている事業すべてを対象とする。
同社の新卒の募集要項を見ると、初任給はそれぞれ、学士卒が21万1500円、修士卒が23万5500円、博士卒が28万9000円となっている。
IT関連の研究職の人材獲得は世界的に競争が激化していて、国内の他の企業も力を入れている。ソニーは6月、人工知能などの領域で高い能力を持つ新卒社員の基本給を引き上げ最大730万円とする方針を発表した。NTTコミュニケーションズも7月から、専門職を対象にした新しい人事制度を始めている。職能に応じて4段階に分け、最高ランクの「ロール1」は年俸3000万円以上も見込めるという。