「残業ありきの給与体系。人によってはみなし残業代が出ているが、大手企業がだいたい45時間分のところ、20時間分しかない。20時間を超えた部分には残業代が発生するので、生活残業する人が多い」(システムエンジニア、20代前半、男性、正社員、年収400万円)
「残業代は満額支払われるため、喫煙所やトイレで時間を潰し生活残業をする者も見受けられる。基本的にリストラをしないため、よっぽどのことがない限り放置されている状態」(セールスエンジニア、20代後半、男性、正社員、年収650万円)
残業代が満額出る、またはみなし残業を超えた部分が出るという企業の場合、あえて生活残業する社員は少なくないようだ。そうした社員を放置して対応していない企業も見られた。
実際に仕事が忙しく時間外まで働いてしまうのは仕方がないが、喫煙所やトイレなどで時間を潰しているのは生産性がない。企業も無駄なお金を払っていることになる。
「帰宅は全体的に早まっている」「人件費削減のため管理職に」
一方、働き方改革の影響などで生活残業が減ってきているという声も。
「働き方改革の影響もあり無駄な残業時間が減った。大昔は生活残業と称しながら、何も仕事をせずに会社に居残っていた社員が大勢いたが、今は個々の時間を大切にする風潮が浸透している」(システムエンジニア、20代後半、男性、正社員、年収)
「これまでは残業に上司の許可も必要なく、だらだらと生活残業をする者が見受けられた。最近は残業規制が徹底されるようになり、帰宅は全体的に早まっています」(金融関連職、30代後半、男性、正社員、年収1000万円)
「基本給はある年齢に達すると頭打ちとなり、家族持ちは生活残業が横行している。管理職は残業手当がつかないので、人件費削減のために名ばかり管理職にされる社員も多い」(サポートエンジニア、30代前半、男性、正社員、年収580万円)
残業規制で会社全体に早く帰宅する流れができているようだ。なかには残業代がつかない管理職を増やすことで、生活残業に対応している企業も見られた。
少ない労働時間でこれまで通り仕事が回るならば、企業にとってはコスト削減となり、社員も自分の時間が増えて効率的だ。残業に関するルールを明確にし、早く帰りやすい雰囲気作りが今後も行われていくに越したことはない。
もちろん、残業代がなければ生活ができないほど低い基本給は見直されるべきだ。生活残業する人々の目的は、少ない手取りを増やすこと。企業は残業規制を進めると同時に、無駄な残業をしなくても安定できる給与形態を整える必要があるだろう。