劣悪な労働環境で労働者を苦しめるブラック企業。そこでセクハラに苦しんでいる女性から経験談が数多く寄せられている。今回は、”女性だから”と差別されたり危険な目にあったりしたことや、セクハラがまかり通っている職場にいる人の声を紹介する。
営業職の50代女性は、男性ばかりの外資系企業で管理職として若手の男性営業マンの育成に携わっていた。女性は一人で早朝から夜遅くまで7人の教育・成績管理をしていたが、「彼らは他部署の男性上司をリスペクトしており、女性の私は軽く見られていました」という。
「毎月40名くらいが集まる管理職会議で女性は私一人。いい意味でも悪い意味でも目立ってしまい、いつもなにかしら提案しなければいけませんでした。しかもいつも社長の隣に座らされ、気を遣うのが嫌でした」
ほかにも過労で倒れたり、自分の成績が給料に反映されないなどの不満が溜まり退職を願い出たが、「『女性だけの部署をつくってそこで育成を頼みたいからそれまで待ってほしい』と言われたものの、1年経っても変わらず」だった。
女性はその後、全身に蕁麻疹ができ、睡眠薬を服用するようになった。それが理由で退職したが、現在はすっかり体調がよくなり「辞めてよかった」と安堵する。
「セクハラで女性が会社の相談窓口に相談すると、必ず女性が退職することで有名でした」
管理・事務職の20代女性は、過去に勤めた会社で「女性社員は上司からのセクハラや愛人関係を強要された」という。技術職の20代女性は「ずっと『女のくせに』といった暴言を言われ続けました」と明かした。さらに、
「女性が少ないからと入社初日からセクハラを受け、だんだんエスカレートして管理職から肉体関係を求められ、拒否すると社内でレイプされそうになりました」
とも綴る。この女性は会社に相談すると「気を持たせるようなことをしたお前がおかしい」と言われ、不当解雇されたという。
このような会社の対応は少なくない。管理・事務職の50代男性は、「セクハラで女性が会社の相談窓口に相談すると、必ず女性が退職することで有名でした」という。職を失うことを恐れてセクハラの相談ができない女性は、想像以上に多いのだろう。