新型コロナウイルスの感染が拡大している中、従業員に在宅勤務を推奨する企業が増えている。しかし、社員の体調よりも仕事を優先しようとするブラック企業の中には、こうした社会の動きとは逆の方針を取るところもあるようだ。中には
「食品関係の職種であるにもかかわらず、感染症にかかり熱があるのに休めない」(20代男性/技術職)
という声もみられる。今回は、従業員がインフルエンザなどの感染症にかかっても働かせようとするブラック企業のエピソードを紹介する。(文:林加奈)
「俺は熱が出ても仕事をしている。君もその程度の不調なら出社しろ」
サービス・販売職の30代男性は、発熱と咳がひどくて体調が悪い日が続き、有給を取得して自宅療養していた時に上司から電話がかかってきた。
「まだ熱もおさまらず、ひどい咳が続いているときに部長から連絡。急ぎの仕事かと思って出たら『俺は風邪をひいても熱が出ても仕事をしている。君もその程度の不調なら出社しろ』と言われ、翌日から出社した」(30代男性/サービス・販売)
案の定、その後に男性の職場では風邪が蔓延したという。
別の人からは「インフルエンザで休むために診断書をその日のうちに持っていく」(30代女性/教育・保険・その他)という声も。社員の体調よりも、診断書の方が大事なのかと思ってしまうエピソードだ。
休むとペナルティがある職場も「インフルにかかっている気がしても働く」
一方、感染症で休むことができても、その代わりにペナルティを課すブラック企業もあるようだ。インフルエンザで休んだときの会社の対応として
「朝礼にて謝罪させられる」(30代男性/販売・サービス職)
「有給扱いにもならず、給料が3万円ほど引かれてました」(20代男性/販売・サービス職)
「ある営業職の女性は、『月の件数と金額のノルマは達成してください』と言われ、月末の3日間は普段の3倍の仕事をさせられてました」(40代女性/管理・事務職)
などと実にひどいものばかりだ。
また、サービス・販売職の30代男性は「月25日出勤が絶対で、それを下回ると日給の2倍の罰金。冬場に風邪を引いたそぶりを見せると病院に行かされるので、インフルエンザにかかっている気がしても全力で働く」と語る。
感染症にかかった時は、言うまでもなく、完治するまで静養するべき。ペナルティなどはもっての外だが、それがまかり通ってしまう風潮こそが”ブラック企業”と言われる所以なのだろう。
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