パワハラが横行しているブラック企業の中には、日常的に暴言が飛び交うところもある。事務・管理の30代女性は、一生懸命仕事をしているつもりなのに、
「『返事の仕方が不快』『もうあなたに教えたくない』『一緒に仕事できる気分じゃないから今すぐ帰って』と一方的に言われた」
と綴る。今回は、ブラック企業でパワハラ発言をされたエピソードを紹介する。(文:林加奈)
手を怪我して自宅静養の診断が出ているのに「足があるでしょ?軽いものなら持てる」
日中フルタイムで仕事をするなら、お昼休憩を取るのは当たり前だが、販売・サービス職の30代男性は現在の勤め先で「昼なんか、時間ねぇから食うなよ」と言われた。昼食をとる時間がないほど忙しいなら、人材を確保するか、業務の効率化を図るべきだろう。そもそもフルタイム勤務なのに休憩を取らせないのは労基法違反だ。
40代女性は、「労働時間が余っても超えても怒られる」という職場での経験をこう語る。女性は仕事中に手を怪我し、病院で3週間の自宅静養の診断を受けた。
「それにも関わらず『足があるでしょ?軽いものなら持てるでしょ?』と、しつこく仕事に出るよう要求された。ちゃんと治したかったので休みますと言うと、『あなたはこの部署でしか働けないのわかってる?』と辞めるように促された」
社員の健康よりも仕事を優先するべきという発想は、まさにブラック企業そのものだ。
「社会に出て初めて人間性を否定された気分でした」
技術職の30代男性は、24時間業務の製版業界で仕上がりのチェックや修正を担当していた。勤務形態は8~20時、20~8時まで働く交代制。男性は長時間拘束と、ミスの許されない仕事に精神的な不安を覚えていた。
ある日、自身が業務でミスをしていたことが発覚。すぐに修正をして、迷惑をかけた主任に謝罪しようとした。
「その時、主任に『帰れ帰れ、しっしっ!』と罵られました。社会に出て初めて人間性を否定された気分でした」
と語る。職場でこうした暴言を吐く人は、言われた側の気持ちを考えることはできないのか。人間性を疑われても仕方がないのではないだろうか。
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