どんな職場にも、そこならではの独特の習慣や雰囲気があるものだ。ただ、冷静に考えて「それってどうなの?」と疑問を呈したくなるものもある。ブラック企業の中にも”変わった慣習”が存在するところがある。
例えば、技術職の40代男性は「給与明細がない、あっても手書き。現金手渡しで源泉徴収もない」という。令和の時代に手書きの給与明細が存在することに驚く。他にも、ブラック企業経験者が感じた独特のカルチャーや制度について紹介する。(文:林加奈)
「勤怠は問題ないのに、評価者の理由は”動きがよくないから”。抽象的過ぎ」
ブラック企業で「昇給がない」(40代男性/技術職)という声は多く寄せられる。別の40代男性は「5年ほど働いているが一度も昇給がない」という会社に今も勤務している。しかも、
「正社員なのに時給。給料を増やしてほしいといったら資格を取れば上がるからと言われた」
という。
企画/マーケティングの30代男性は「試用期間が1年続いている社員がいた」と語る。
「勤怠は問題ないのに、評価者の理由は『動きがよくないから』。抽象的過ぎて驚いた。人事も労務上問題であることを指摘しないというか、無知だったからできなかったのか……。それでも本人もそれで納得していた」
試用期間で1年間はさすがに長すぎる。その理由も到底納得のいくものではない。納得している本人も本人だが、普通なら納得できないしすぐに辞めるのが当然だろう。
女性モデルが汚したピンクのドレスを男性スタイリストが買い取り
販売・サービス職の30代男性は現在の勤め先で「仕事をどれだけ頑張っても、うちの会社では結婚してない奴は出世できないんだよって上司から言われた」という。未婚の社員にとってはこの上なく不利な制度で、明らかな差別だ。
30代男性は、ファッション系雑誌のスタイリスト兼カメラマンのアシスタントをしていたことがある。一見すると華やかな仕事だが、その現場は労基法無視の過酷そのものだった。
「入社後3か月、無休&無給。4日間寝ずに仕事。返さなくてはいけないリース商品のアイロンかけ、タグ付け、写真のチェックを夜中にして、日中はロケに立ち会う。モデルが汚した衣装の買い取りもする」
男性はシルク素材のピンクのドレスを買い取ったこともあるという。汚れてしまったのならせめて会社で引き取ってほしいものだ。個人で買い取りを続けていたら、金銭的な負担は相当な額になるだろう。
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