過酷な労働環境で社員をこき使うブラック企業。社員の退職に対しても冷酷な対応を取るところがあるようだ。販売・サービス職の30代女性は
「退職を願い出たら有給をすべて取得済みにされ、シフトが書き換えられていた」
という。他にも、ブラック企業に退職を申し出たときの会社の対応について綴る回答を紹介する(文:林加奈)
「代わりが来るまでと5か月も引き止められた人がいます」
社員に圧力をかけて退職を阻止しようとするエピソードが寄せられた。
「退職しようとすると慰謝料請求」(40代男性/技術職)
「退職しようとしても『他では雇ってくれない』などの因縁をつけ辞めれない雰囲気を作る」(20代男性/営業職)
労働基準法によると、労働者には会社を退職する自由がある。しかし安い人件費で長時間働く社員を手放したくないブラック企業の中には、法律などお構いなしというところも少なくはない。
医療・介護の仕事に携わる50代の女性は、ブラック企業で今なお退職できずにいる。職場には「代わりが来るまでと5か月も引き止められた人がいます」という。
「私は直属の上司が上に報告せず、引き出しに退職届が眠ったまま。たまりかねて診断書を出しても『次が来るまで』と。前の人が辞めて次が来たのが10か月後だった。死なないと辞められないのか」
人が足りないため、引き継ぐ人ができたらやめてもらう、ということだろうか。退職したい人からすれば迷惑な話であり、企業側は環境や待遇の整備を早急に行うべきだろう。何より女性が早く辞められることを願うばかりだ。
ボーナスカット、有給消化不可……退職する社員に嫌がらせをするブラック企業
教育・公務員の40代の女性は「迷惑をかけるかもと思い、早めに退職を申し出たら、その冬のボーナスカット、懇親会に呼ばれなかった。退職1か月前くらいに言えばよかった」と後悔している。
販売・サービス職の30代女性は、現在の勤め先がブラック企業だと気づいた瞬間があるという。別の社員が退職しようとしたときのことだ。
「有給消化の話をすると『そんなものはない』と言われ、『では労基に行きます』と言えば『脅しだ』と言われたといいます。最終的に有給消化分の手当てを払うと言われたが、有給消化分の半額に近い金額を提示されたそうです」
女性は「自分も辞める時そんなことになると思うと憂鬱で仕方ありません」と心境を吐露する。
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