議論に勝つための「9つの科学的方法」 まずは相手の意見に耳を傾けよ
ビジネスにおいて、意見の異なる人と議論を戦わせることは避けられません。自分の意見を通そうと思えば、議論の方法を洗練させるべきでしょう。ドレーク・ベーア氏は、米ビジネスインサイダーに「議論に勝つ9つの方法」を寄稿しています。
ベーア氏によれば、議論とは必ずしも論理的なものでなく、議論に勝つためには人の心理を知ることが必要とのこと。そのうえで、科学的に裏付けされた議論に勝つための手法を紹介しています。
1.信頼関係を築く
議論は合理的なものではありません。どんなにバカげた内容でも相手の意見に耳を傾けましょう。人は自分が受け入れられて、初めて敵対する意見を聞こうと思うものです。論理的な話し合いは、心理的関係が確立してから始めます。
2.議論に勝とうと思うな
逆説的な表現に思えますが、人の意見を攻撃して追い詰めてしまうと、相手を説得することはできません。説得したいのなら、相手の意見を聞き、結論へと導きましょう。
3.議論相手に「なぜ」と聞かず、「どうやって」と聞く
コロラド大学の研究では、極端な政治的意見を持つ人々を2つのグループに分け、1つのグループにはその意見が正しいと思う理由を議論させ、もう1つのグループには彼らの理想を実現するにはどうしたらよいか、を議論させました。その結果、意見の正当性を議論したグループは議論する前と同様に自分たちの主張の正しさに自信を持ち、実行する手立てを議論したグループはより柔軟な意見を持つようになりました。
4.粘り強く続ける
ピクサーの創立者エド・キャットムルは、スティーブ・ジョブズと何度も議論しました。声を荒らげて話し合うのではなく、時には数か月かけて粘り強く話し合いました。結論は次の3つのうちのいずれかでした。ジョブズがキャットムルの意見を正しいと認める、キャットムルがジョブズの意見を正しいと認める、あるいはジョブズが何も返答しない、つまりキャットムルを認めた、ということです。
5.オープンエンドの質問をする
もし、パートナーと些細なケンカをしたら、イエスやノーでは答えられないオープンエンドの質問をしましょう。例えば、「今の仕事はどう?」「3年後はどんな生活をしていたい?」。これは職場での議論にも使えます。競争的な人間関係から協力的関係に変えることができるでしょう。
6.自信を持つ
人は最も賢い人の話を聞くわけではなく、何でも知っているかのように振る舞う人の話を聞くものです。人々は無意識のうちに、話の内容よりも態度、外見や自信のあるなしに惹きつけられます。
7.グラフを活用する
人は科学を信用します。グラフなどを使い、科学的に議論を進めることで信用度が増します。グラフなどのちょっとした科学の威厳で説得力を高めることができます。
8.他にも賛成している人がいることをアピールする
「他の人はこのようにしていますよ」という文句は、人を説得するのに最もよい方法です。人々の意見を操作するために、流行を意図的に作り出すこともあります。他人がどうしているのかが判断基準なのです。たとえばレストランの前に長蛇の行列があれば、美味しいお店に違いないと思うように。また、有名人のオススメは効果的な宣伝方法なのです。
9.逸話に陥らないようにする(コンセンサスの重要性)
「どんなに食べても太らない人がいる」というような常識では考えられない逸話を証明するためには、膨大なデータが必要です。そのような逸話(少ない例)にこだわるより、コンセンサス(参加者の総意)を結論として用いるほうが賢明です。科学者は最終的な結論をコンセンサスでまとめることが多いものです。科学的コンセンサスはすべての科学者の意見を集約したもので、反対者もいることでしょう。しかし、ほとんどの科学者がコンセンサスにたどり着くということは、最先端の知識に基づいたそれなりの根拠があるということです。
(参照)Science says these 9 tactics will help you win any argument (Business Insider)
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