再び新型コロナウイルスの猛威が、ぶり返しつつある。第一波の時期には、多くの人を苦しめた経緯もあるため、さらなる警戒が必要だ。そうしたなか、感染リスクに対する意識が低いも会社も少なくない。そのことで退職を決意したキャリコネニュース読者からは、
「緊急事態宣言中でも出勤させられた。社員を大事にしない姿勢に疑問や不信感が募った」(40代女性/奈良県/サービス系)
「コロナで会社から自宅待機の指示が出たにも関わらず、現場への出社を仄めかす暗黙の雰囲気があった。『在宅勤務は時間無制限』という圧力をかけられ、パワハラとしか思えない上司の発言にもやられた」(40代男性/東京都/サービス系)
といった声が寄せられている。今回は2人の投稿を紹介する。(文:鹿賀大資)
コロナ禍に新入社員研修「3カ月間、2人一部屋に缶詰状態」
メーカー系の会社に勤務する兵庫県の40代女性は、「とにかく50代のオヤジ層の頭が硬すぎです。ペーパーレスやハンコレスにまともに取り組んでいる気がしません」など、昭和な価値観で古い体質の職場に不満を募らせている。
「緊急事態宣言が終わったと同時に通常出勤。テレワーク継続を許されたのは子育て世帯と、家庭で介護が必要な世帯のみでした。結果、出勤者に負担が偏っています。社内アンケートでも7割近くの人がテレワークの継続を希望しているものの、会社は見て見ぬふりです」
また新型コロナの影響で、夏の賞与も一律で半額カットだった。そのことについても「本来なら役員や管理職からカットされるべきだと思います」と憤る。なかでも極めつけは、「このコロナ禍の時期に、新入社員研修を合宿で決行したこと」だという。
「3か月もの間、2人一部屋での缶詰研修です。考えられません。さすがに見切りをつけました」
女性は「会社にいることが仕事、と考えている役員が辞めない限り、ここは変わらないと思います」と書いている。
同僚にマスクの着用を頼むと「病気扱いされて心外だ」と怒られる
専門コンサル系勤務の東京都の30代女性は、緊急事態宣言が発令される前の状況を振り返る。当時は感染者数の拡大が顕著だった時期で「電車に乗るのも怖かった」という。しかし会社側の配慮はなく、普段通りの定時出社だった。
「その後、会社から『時差通勤制度を導入する』と連絡がありました。その際、申請者が利用する駅だったり、路線の混雑状況を念入りに調べたりしていて、挙句『この程度なら時差通勤は認めない』と却下された人も。それに『時差通勤したがるのはサボりたいからだ』と決めつける上司の発言もありました」
上司の言動は、それにとどまらなかった。
「ウイルスへの恐怖レベルは個人差があるにも関わらず、職場では不安になること自体が許されない雰囲気になっていました。さらに上司も『不安に感じる人は神経質すぎる。コロナはインフルエンザのようなものなの。気にしすぎだ』という発言をしていましたし。
リモートワークの導入が遅かったのも、情報漏洩のリスクばかり考えていたからです。幹部連中の頭の中には当然、コロナウイルスに感染する考えはなかったことでしょう。だから彼らはマスクもつけず、至近距離なのに大声で人に話しかけられるのです。着用をお願いしても、返事すらもらえませんでした」
隣席の同僚もマスクを着用していなかった。そこで女性が「つけてほしい」と頼んだところ、同僚は「病気扱いをされて心外だ」と怒り始めたという。女性はそれがネックとなり退職を決意した。
「一応は新卒以来、12年間にわたりお世話になった会社なので、このような形で退職するのはとても残念でした。でもそれ以上に、従業員のことを大切に考えていないと気づいてしまった方が、何より辛かったです」
今後の活躍を願うばかりだ。
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