6月末時点の内々定率が昨年と比べ、大幅にアップしていた理由は何だろうか? 学情の担当者は「景気回復の兆しを受けて、企業の採用ニーズが高まっている」と指摘する。
コロナの影響は落ち着いてきていて、「昨年は採用を中止・縮小した企業も、新卒採用を再開している傾向がある」(同)という。
また、企業での感染症対策が進み、採用活動もスムーズになった。「WebセミナーやWeb面接を取り入れたり、感染症対策をしながら選考中一度はリアル選考を実施するなど、コロナ禍でも採用活動を進められている」(同)という。
さらに、今年は東京五輪の影響で、採用活動が「前倒し」になっている側面もあるという。開催期間中は「リアル面接」が実施しにくいと想定される。学情では「7月下旬は、説明会や選考を実施しにくいことを見据えて、企業は早めに選考・内々定出しを進めていると考えられます」と分析する。
理系は「8割超」
内々定を獲得した数(累計)は、「1社」(38.0%)、「2社」(26.2%)、「3社」(16.8%)、「4社」(10.2%)だった。
内々定を得た企業に応募したきっかけは「就職サイトで知って」(60.8%)が最多。
他には「就職サイトが主催するイベントで話を聞いて」(17.7%)、「企業のホームページを見て」(16.4%)、「インターンシップに参加して」(15.5%)などが挙げられた。
また、内々定率の文理別は、理系が83.3%と8割超え。文系の70.4%と比べて12.9ポイント上回った。
学情は「DX推進など、エンジニアの採用意欲は高止まりが続いています。デジタル領域やITに精通した人材の採用ニーズは、メーカーにとどまらず、幅広い業界で理系学生の採用意欲が高くなっています」と解説していた。