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新卒採用で「やりたい仕事」を聞かれたら? 不毛な質問には「今はまだわからない」でOKだけど、その後の対策を

そもそも新卒就活生のほとんどは社会人経験がないので”やりたい仕事なんてあるわけがない”と思っているからです(もちろんやりたい仕事が明確になっている学生もいますが本当に稀です)。

では、なぜこの面接において「やりたい仕事ってなんですか?」という質問が頻繁に出るのでしょうか。その理由として以下の3つが挙げられます。

1.自社の仕事とやりたい仕事がマッチした学生を採用したい・見つけたい

採用予定数が数人で「自社に合う学生がいなければ採用数0でもいい」と思っている企業の場合、この質問をしているケースがあります。

上で書いた”本当に稀”な学生さんを探しているケースです。しっかりと答えられる学生だけが採用ターゲットとなるため、この質問をすることが唯一不毛ではないケースです。逆に言うと答えられなかったならそもそも採用ターゲットではありません。学生は切り替えて就活を再開することをオススメします。

2.面接官が何も考えずとりあえず聞いている

学生からの相談を聞いていると、実はこのケースが一番多いのではないかと思っています。学生は面接官を面接のプロだと認識していることが多いのですが、新卒面接の現場に出てくる人たちは基本的に面接の専門家ではありません。

新卒採用や中途採用の面接には必ず参加していて年に数100回面接している人は稀だと思います。実際、私のような人事コンサルタントは企業側から面接の仕方や面接官指導を依頼されます。

それぐらい企業にとって面接は不確定で不慣れなもので、面接官も「何を聞いていいのかはっきりとはわかっていない」ことがあります。「自社で頑張れるか知りたい」「自社にあっているのか知りたい」と思う中で、なんとなく「やりたい仕事」を質問しているのです。

3.他社との志望度の違いを把握するために聞いている

志望動機を聞いただけでは「他社との志望度の違い」が把握できないこともあります。そのためどれぐらい自社の業務内容・仕事内容のことを調べているか、知っているかで志望度の高さを把握する質問として、この質問を投げかけているケースも。

ただこの場合、企業は「やりたい仕事」という質問をせずとも、志望動機を深く聞くことで他社との志望度の違いや仕事内容の理解等を把握することは出来ると思います。

「やりたいことはわからない」と答えた上で言うべきこと

つまり1のケース以外は「やりたい仕事」という質問は意味を成していません。しかし残念ながら、この手の質問は面接からなくなりません。それでは学生はどのように対処すべきなのでしょうか。

答えは簡単で、「やりたい仕事がない」学生は「やりたい仕事は、今はまだわかりません」と答えればいいのです。もちろんそれだけを答えると面接に落ちてしまうため、その後に続く返答が必要です。

面接官が何のために「やりたい仕事は何ですか?」と聞いているのかを考えて、返答をします。その根本は「志望度を知りたい」「頑張れるかを知りたい」「自社にあっているかを知りたい」の3パターンぐらいに大別されます。

そのため「やりたい仕事は今はまだわからない」と答えた上で、志望度をしっかりと示すように話したり、自分がその会社で頑張れる要因を話したり、如何に自分がその会社にあっているかを話したりすればよいのです。

本当に「やりたい仕事はない」と答えて問題ないのか不安になる学生も多いかと思います。しかし学生を支援する中で「やりたい仕事が本当はない」学生は、それを企業側に伝えた上でしっかりと自分とマッチした企業から内定を貰い、入社しています。

どれだけ考えても答えの出ない「やりたい仕事」を探すより、「なぜ自分はその会社で働きたいのか」を過去の自分の経験と紐づけて深く考えてみてください。有意義な就職活動を過ごしてくださいね。

著者近影

著者近影

坂元 俊介
株式会社STORY 取締役/キャリアコンサルタント・ヘッドハンター

同志社大学経済学部卒。新卒でリクルートHRMK(現リクルートジョブズ)入社。中途・新卒領域における求人広告媒体の営業に従事、その後、営業として3つの新メディアの立ち上げを行う。リーダーや大手担当を経験。Webベンチャーでのオフィス長経験を経て、30歳になるタイミングで家業の和菓子屋を継ぐとともに、企業の採用コンサルティング会社を立ち上げ、採用人事支援なども行う。リクルートの同期が立ち上げた株式会社STORYの法人化に伴い、取締役に就任。大学生・第二新卒層のキャリア支援をおこなうSTORY CAREER事業部の責任者を兼任。毎年数百名の大学生・社会人のキャリア支援を行っている。

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