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DXCテクノロジー・ジャパンの現役社員が本音で語る「大企業だけどベンチャー」の意味

「キャリアは自分で作る」ということ

「キャリアは自分で作る」ということ

新しいことに挑戦できる環境で、刺激的な仕事がしたい。でも、大手企業を辞めて経営基盤が不安定なベンチャー企業に入るのは心配だし、家族からも反対される――。そんな理由で転職に踏み切れなかった人は少なくないだろう。リスクを取って大きな成功を得る人もいるが、失敗すれば損失は大きい。

大手企業の安定とベンチャー企業のよさを兼ね備えた会社はないものか。そんな期待に答えるように、米大手ITサービスを母体とするDXCテクノロジー・ジャパンは、自社の文化として「大企業だけどベンチャー」を掲げている。実際のところはどうなのか。同社エンジニアとして働く40代女性のKさんに、編集部がSNS経由で独自にアプローチして社員の本音を聞いた。(キャリコネ企業研究Resaco編集部)

キャリアの不安を上司に相談し希望のポジションを獲得

――Kさんはこれまでどういうお仕事に携わってこられたのですか。

ここ数年はDXCテクノロジー・ジャパンのクラウド製品を扱う部署で、ServiceNowの専門アドバイザリーとしてプリセールス・コンサルタントをしてきました。この4月からは「プロダクトカットから業務カットへ」という会社方針を受けて、部署名をEnterprise Application & SaaS(EAS)に変更し、ファイナンスやHR、CRMといった切り口でサービスを提供する予定です。

2017年に会社が合併してDXCテクノロジー・ジャパンになる前は、Hewlett Packard Enterprise(HPE)に所属していました。その前は日系コンサルティングファームでITコンサルタントを、さらにその前はITベンチャー企業でプログラマーをしていました。

そういう経緯もあって、この20年ほど、ソフトウェアからインフラ、ハードウェアやネットワークまで、テクノロジー的にはかなり幅広くやってきたのですが、業務カットはこれからのチャレンジになります。私自身もSalesforceなど新しいプロダクトに携わっており、楽しみというか頑張らなきゃ、と考えているところです。

――ITエンジニアは人手不足で、他社からスカウトの声がかかったこともあったのでは。

実は最近もそういう話があって、上司のハンシン(金翰新氏)に相談しました。いま不安に思っていることを聞いてもらい、新たにやりがいのあるポジションをもらったところです。

いまエンジニア人材を積極採用しているのですが、あわせて人の育成も大事ということで、若いエンジニアをトレーニングしたりケアしたりするチームを組織として正式に設けることになり、そこのリードのポジションを与えられたので続けることにしました(笑)。

何回か転職しているので「だいたいどの会社に行っても仕事は一緒」というのは分かります。結局は人だなと。今回ハンシンに相談して、この人についていこうと思いましたし、周りのメンバーと一緒に働くことで成長を感じられるので、しばらくはここで働きたいと考えています。

HPから引き継いだ「キャリアは自分で作る」文化

DXCテクノロジー・ジャパンの歴史(出典:企業概要2022年2月)

DXCテクノロジー・ジャパンの歴史(出典:企業概要2022年2月)

――DXCテクノロジー・ジャパンのいいところと言えば、何を思い浮かべますか。

私にとっては、やりたいことをやらせてもらえるところです。「失敗してもいいので、責任はとるから好きなようにやって」とチャレンジさせてくれます。直近では、私がプリセールスをやりたいと言ったときに、経験がないのにやらせてくれたこと。チャンスを与えてもらったことで、私もやりながら一生懸命勉強して、いい経験を積ませてもらいました。

もっと以前のHP時代には、「海外のプロジェクトのプロジェクトマネージャーをやってみたい」と上司に言ったところ、いいよとやらせてくれたことがありました。帰国子女でもないので英語は流暢じゃないけど、ちゃんと言えばやらせてくれる風土があります。

HP時代から「キャリアは自分で作る」と言われていましたし、社内公募制や360度制度など進んだ制度がありました。一方で、他の会社と比べるとおとなしめな人が多いので、「自分はこれをやりたい」と主張する人はかえって通りやすいのかもしれません。

――DXCテクノロジー・ジャパンは、HPEのEnterprise Service部門が母体のひとつとなっていますが、継承された文化はあるのでしょうか。

HPには「HP Way」という企業理念がありましたし、フリーアドレス制やフレックスタイム制もいち早く採用しました。日本の場合はDXC誕生当初、7割くらいがHP出身者で構成されていたので、以前の雰囲気が引き継がれているところはあったと思います。

ただ、DXCになって、米HPの開発技術を売り込むことから「パートナー企業の製品・サービス、オープンソースソフトウエアなどを組み合わせて提案する」ことへと仕事が明確に変わりましたし、いまではDXCになってから入社した社員の割合が半数近くを占めています。

さらに今年度からは、会社の方針が「お客様の業務課題の解決」へと大きくシフトしており、自由で柔軟な働き方や寛容なカルチャーを継承しつつ、DXC独自の文化ができつつあるのではないかと思います。

長期取引に支えられる運用系と、攻めの開発系

「大企業だけどベンチャー」はDXCテクノロジー・ジャパンのカルチャーのひとつ(出典:企業概要2022年2月)

「大企業だけどベンチャー」はDXCテクノロジー・ジャパンのカルチャーのひとつ(出典:企業概要2022年2月)

――引き継がれたカルチャーは、ビジネスモデルとも関連しているのでしょうか。

パソコンやサーバーなどのハードウェアを作っていたHPが、ユーザー企業向けにITの運用オペレーションのモデルを構築してコンサルティングを行い、付随するITサービスを拡張してきたのが旧Hewlett Packard Enterprise(HPE)の歴史です。

企業向けハードウェアの部門はいまも新HPEとして存続していますが、ITサービスを提供していたEnterprise Service部門が別れて、同じくITサービスを提供していたComputer Sciences Corporationと合併してできたのがDXCというわけです。

DXCには7つのサービスメニューがあり、このうち4つ(クラウド、ITアウトソーシング、モダンワークプレイス、セキュリティ)は運用系および保護の領域です。この領域は保守的で安定的な運用が求められますし、HP時代を含めたクライアントとの長期取引が多く、新たなビジネスであっても既存取引の中からボトムアップで生まれてきたものの割合が高いです。

――DXCには、そういう安定した事業基盤があるということですね。しかしその中でも、Kさんが所属するEASは少し色合いが違うと。

7つのサービスメニューの残りの3つ(保険業界向けBPaaSとBPO、アナリティクスとエンジニアリング、アプリケーション)は開発系の領域で、特に私たちEASを含むアプリケーションの部門は、ITに関する様々な課題解決を支援する上流のコンサルティングからアプローチしています。

企業のトップやCxOに提案して、私たちは社内で「ニュー・ロゴ」という言葉を使っていますが、新しい取引先の開拓や、新しい案件の獲得をする必要があります。そういう意味では、同じ社内でも仕事の種類や部署の雰囲気は部署によって異なるところがあるといえます。EASトップのハンシンも、攻めのキャラクターです。

――御社代表の西川望氏は、御社のカルチャーの特色のひとつに「大企業だけどベンチャー」をあげています。社員のひとりとして、そういう雰囲気を感じますか。

確かに西川は、大企業の持つ安定感とともに、ベンチャー企業の持つ挑戦的な側面を会社が兼ね備えることは大事だと言っていますね。

官僚主義になってはいけないという危機感が込められていると思いますが、「フォーチュン500」にランクインする世界有数の米大手IT企業を母体とし、安定した事業基盤がある上で、新しい領域をベンチャーのように開拓する私たちのような部門も持っている、という意味と取ることができるかもしれません。

お客様と会話できてシステムに落とし込める人が欲しい

――EASという部門は、どういう経緯で成長してきたんでしょうか。

以前はECA(Enterprise Cloud Application)という部署名で、プロダクトカットでサービスを提供してきました。最初に手掛けたのはServiceNowで、この基盤の上に他のサービスを横展開しながらコンサルティングを強化してきた経緯があります。

実を言うと3~4年前にServiceNowのチームを立ち上げた当時は、仕事がとれずに困ったころもありました。しかし時代が大きく変わり、いまでは「RFP(提案依頼書)もう来ないで!」と思ってしまうくらい(笑)案件が増えて、回していくのが大変な状況にまで成長しました。

ServiceNowは、ワークフローをデジタル化して業務効率を向上させるSaaSサービスです。旧HPEで手掛けたIT運用オペレーションのモデル構築やコンサルティングに近い領域を実現できることもあって、お客様にすんなり受け入れていただけたのかなと思います。

ですから、受注や提案の仕方などはすでに整っており、コンサルティング部門を新たに立ち上げる段階ではありません。とはいえ、業務カットでのアプローチはこれから強化していくところですので、やはり人材の採用と育成が大きなポイントになります。

――人材の採用というと、どういう方を募集しているのでしょうか。

いろいろなポジションがあって、プラットフォームや技術に詳しい人も、お客様の業務に詳しい人も全部必要です。ただ、いま特に欲しいのは、製品の技術的な知識だけでなく、お客様とコミュニケーションをとって、設計に落とし込める力を持っている方です。

やはり業務知識がないと会話ができないので、業務が理解できて会話ができて、システムに落とし込める方を募集しています。業務カットでソリューションフリーにお客様へ提案をしてきたコンサルティングファームの方はもちろんですが、事業会社の情報システム部門などユーザー側を経験してきた方も歓迎です。使う方の気持ちが分かっていますし、導入の意思決定のプロセスも分かっていますので。

英語ができるとグローバルとつながりが持てる

求める人材と転職者のメリット

求める人材と転職者のメリット

――具体的にどういうキャリアの方が欲しい、といった要望はありますか。

こちらの要望というより転職者のメリットの視点でお話ししますと、大手企業の案件で経験を積みたい総合コンサルティングファームの方には、当社は信頼関係のある大手クライアントも多いので、希望にあったプロジェクトで働ける可能性があるといえます。

また、事業会社のユーザー部門の方で、コンサルティングにキャリアチェンジしたい方は、当社が「業務カット」へのシフトをしていることもあり、蓄積した業務経験や知識が課題解決に重用されると思います。

また、これはHP時代からの伝統でもあるのですが、会社がダイバーシティ&インクルージョンを重視していますので、多様性が尊重される環境で働きたい女性エンジニアや外国籍の方にとって、働きやすい職場になると思います。

――入社の際に英語力はどのくらい問われますか。

日本企業のクライアントと仕事をするうえでは日本語を使うので、日本語力が重要で英語は必須ではありません。ただし、グローバルのドキュメントはすべて英語ですし、グローバルのプロジェクトに参加する人やオフショア開発に関わる方は英語が必要になります。マネージャー以上として採用される方や役職を上げていきたい方も、英語が必要になる可能性が高いと思います。

英語アレルギーがなければ入社してからでも勉強できると思いますが、ある程度の英語力があった方がこの会社で働くメリットを活かせるとは思います。私は新しいサービス立ち上げのときに、グローバルの力をすごく借りたことがありました。

特にタイムゾーン的にシンガポールやオーストラリアのDXC社員にはとてもお世話になりました。国内で事例がなくて分からないことばかりだったのですが、チームのメンバーは英語だけはみんな強かったので、そこでナレッジを吸収して乗り切りました。

DXCは世界70カ国以上で事業を展開し、13万人以上の従業員が働いており、社内にはグローバルなタレントマネジメントシステムがあります。そこでエンジニアの得意分野などを検索し、同じグループ内とは言え全然知らない人に対して「ハロー!」と声をかけると、こころよく協力してもらえます。こういうところも、大企業だけどベンチャーな感じがありますね。

この会社への転職に興味のある方は、グローバルウェイエージェントまでお問い合わせください。相談内容に詳しく知りたい会社名を記載するとご相談が円滑になります。

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